離れて、愛して【pi】

離れて 19 ページ19

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大好きな彼女に別れを告げられた。





そんな俺の気持ちはズッタズタなわけで。















「ちょっとぺいんとさん？最近どうしたの？」



「なんか変だよ、体調でも悪いのか？」



「今日は撮影辞めとく？」









メンバーの優しい言葉掛けにも、上手く答えることが出来ず、だからといって撮影をやめるのも迷惑がかかる。


俺は大丈夫の一点張りで撮影を続けていた。









こんなに不調な原因は分かっていた。



















「………なんで振ったんだろ」















その原因も、分かっていた。









ミュートを外して、撮影へと頭を切替える。




だめだだめだ。もっと面白くしないと。



















『あははっ！ぺいんとのはしゃぎ具合面白すぎっ！』













「っ……！」



















思い出したのは、いつかの彼女。



いつも、動画投稿が終わると、決まってリビングで見てくれたAは、嬉しそうに、ケラケラと笑ってくれた。


それが堪らなく大好きで、愛おしくて、思わずその表情を眺めてしまう。












それが動画作りの原動力といっても過言ではなかった。



もちろん俺らの楽しいものを皆に届けたい。そんな気持ちと同じくらい、彼女への想いは溢れるばかりだった。















だから、


そういう存在が居なくなるのは、あまりにも辛いもので。






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