離れて 17 ページ17
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「聞いたよ、ぺいんとさんから」
それは、別れて1週間後に電話をかけてきたしにがみくんだった。
彼から聞いたのか。なんて話したんだろうか、なんてぼんやりと考えながら、夜ご飯のスープを飲み込む。
「相当滅入ってた。どんくらいかって僕らがネタに出来ないくらい」
「………振った本人がコメントしずらいのやめてよ」
「あはは、ごめん。
とりあえず、いきなり別れよって言われて、なんでって聞いたら限界だったしか言われなかったって話されてさ」
……間違いはない。そりゃもう、そのまま。
「それで、ぺいんとさんはどう思うのって聞いたら、
俺はAと一緒に居て楽しかったけど、それは無理させてただけで、俺が間違えてた…ってさ」
……なんだそれ、
今更気付いたというのか、何度も何度もあったじゃないか
直すチャンスなんて、いくらでも。
彼の表情と、言い方もすぐ想像がつく。
「………むかつく」
「言うと思ったよ、
まぁぺいんとさんなりに反省とか、今までのことで仕事に支障出ないように頑張ってるみたいだからさ、今までみたいに応援してくれたら嬉しい、かな」
「……しにがみくんはなんでそこまでしてくれるの?」
ふと出た疑問だった。
他人の恋愛ごとにどうしてそこまで突っ込んで双方の話も聞いてくれるのだろうか
彼はうーん、と唸ったあと、しばらくして
「ぺいんとさんとAちゃんが付き合った当初から仲良くしてもらってたから、なんか僕も失恋した気分になっちゃったんだよね
もちろん復縁しろ!なんて強くは言わないけどさ、2人なら乗り越えられるって信じてる部分も正直あって……」
「私とぺいんとが?」
「うん。だって、あんな散ッ々喧嘩してたのに、こんな終わり方ってびっくりだよ?
Aちゃんは知らないかもしれないけど、ぺいんとさんほんとにAちゃんのこと溺愛してたからね、余計助けたくなっちゃった」
しにがみくんの言葉に、嬉しさも出たけどその後。
ぺいんとが私のことを溺愛してた?
なにそれ、聞いたことない。
だって、
「大好きも何も言われなかった………」
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かめそん(プロフ) - 羽鶴さん» わわ……とても嬉しいです……;;;;ありがとうございます!!!!本当に嬉しいお言葉です…! (12月12日 20時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
羽鶴(プロフ) - かめそんさんの作品やっぱ好きだ…!!ぺんちゃんを優しくかっこよく弱く書く小説が大好きです…、にやけすぎて口角どこ行った… (12月12日 0時) (レス) @page27 id: fcd2bda98b (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - えにさん» えにさん……!色んな作品を読んでくださってありがとうございます!本当に嬉しいお言葉ばかりで幸せです!ありがとうございます!! (2023年2月9日 19時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
えに(プロフ) - かめそんさんの作品は全部何度も読み返してますけど…この作品は1番頭に残っていて何度も見たくなる作品でみていて楽しいし、悲しくなって本当に感情自体が吸い込まれていって本当にすごいと思っています。これからも投稿を無理ない範囲で頑張ってください (2023年2月8日 13時) (レス) @page27 id: b595ee322e (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 市さん» コメントありがとうございます!ボロボロの初作品を沢山読んで頂いてたなんて、本当に嬉しいです…!ありがとうございます!!ぺいんとさんの小説は今後も出したいと思っているのでまた読んで頂けたら幸いです! (2022年10月13日 7時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かめそん | 作成日時:2022年10月11日 1時