離れて、愛して【pi】

離れて 12 ページ12

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「…なるほどねぇ…編集大変なのは分かるけど、彼女さんの立場になったら辛いよねぇ」






「私の我儘っていうのは分かってますし、耐えられなくなっただけなので、彼には気にして欲しくないんですけどね」


















「じゃあまだ好きなんだ？」



















間もなく言われた好きの言葉。


思わずえ？と聞き返してしまった。



















「だって、嫌いになったとも言ってないし、冷めたとも言ってないから。

Aちゃんって結構サバサバしてるから、その辺ちゃんとしてそうじゃん？」




「そ、れは……」



















そういえばそうだ…私今の説明で嫌いとか冷めたとか一言も言ってない…





じゃあ、まだ好きってこと…？









でも、仮にまたやり直せるとしても………



















「む、無理です…」















「Aちゃん……








まだ別れて数週間なわけだし、まだ考える時間はあるよ。ただ、これだけは言っとく。



















ぺんちゃんは、ちゃんとAちゃんのこと好きだったよ」



















ちゃんと、の部分を強く言ったともさんは、それじゃあ本人にも事情聴取すっかぁーと伸びをして、ありがとうの言葉を最後に電話を切った。











ツー、ツー、と響く耳元。



















「………、ふっ……っ……馬鹿ッ……」



















"好きだった"



ちゃんと、好きだった。


















ずっとずっと欲しかった言葉を他人から聞くことになるなんて。



















ずっとずっと編集部屋で頑張っていたあの背中で、そんなこと語るなよ。










私に言ってほしかった、




行動で示して欲しかった。






……なんて、いまさら遅くて。



















涙が溢れて、仕方なかった。






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