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彼のところへ ページ37




『彼、豊作の神として祀られてたけど、元はもっと格上の神様だったのよ。けどそれをともは拒否して、数百年でいわゆる転職。戦いを嫌った最強さんは何もせずただ寝転がり豊作に困ったら助ける程度。


それがともの人生……いや、神生…?』



彼女、ウミシダさんはそう言っていた。何も知らない事実。過去。仕方ない。まだ過ごして1年も経っていないし、知らなくて当然だ。


でも悔しかった。私がそれを知っていたかった、寄り添っていたかった。
彼が嫌だと思うことも全て、受け止めてあげたかった。



だって、だって、


私は彼のことが___






「……っ、連れてってください」

「え?どこに?」

「ともさんのところです!彼はきっと、今無茶してる」

「…へぇ、強いのに?」





1度考えを飲み込んで、私はウミシダさんの顔を見る。つい数秒前までともは最強だと言っていたのに、とでもいうような顔で笑う彼女がなんだか怖くて、でも、私だって負けてない。ともさんのことを何も知らない一般人じゃないのだ。



「……戦いを嫌うなら、きっと今ウミユリさんの攻撃を何もせずに受けているはずです。生き残れるほどの強靭な身体を持っているのならいいんです。ただ…」




目を閉じて過去を振り返る。
シャワーやお風呂を嫌い、夕ご飯に出てくるトマトは避け、ゲーム三昧、ホラーが苦手。

思い出すのがこれなのは可笑しいが、どう考えても生き延びてくれるだろうという絶対的自信の要素は少なかった。




「……私、"これ"が終わったら彼に伝えたいことがあるんです。それまでに死なれたら私も死ぬしかありません。


お願いします。連れていってください」




全身に熱を持ったようにチリチリと痛む傷口。でもそんなのに構ってられる時間はない。真剣に彼女に申し出ると、ウミシダさんは小さな笑いを零した。


「…なるほどね、貴方たち…

…わかったわ、連れてく。ただ、貴方は1番ウミユリに狙われてる。それは自覚してる?」

「……はい」

「…ならいいの。ウミユリの罪を計るなんて嫌だからね、めんどくさい事しかしてないんだもん、あいつ。」



……はぁ、と曖昧な言葉を返すと、コッチの話〜と逸らされた。彼女は上級の神でもなく人間でもない。だからこそこの力は扱えるか分からないと言って、私を軽々抱き上げた。



「え、」

「さーて、行きますか!」



小さな声で何かを囁いたと思えば、ぞわりと背中を這うような恐怖感に再度襲われた。




再会→←彼女の願い



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かめそん(プロフ) - りあ@プリ小説してまーすさん» わ〜!お久しぶりです!!読んでくださってありがとうございます!!!嬉しいです!! (2023年2月9日 19時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
りあ@プリ小説してまーす(プロフ) - 浮上さぼってた間に完結してる!!!!お疲れさまでしたぁ!!!!夢主ちゃん幸せに爆発して…(?) (2023年2月8日 9時) (レス) @page48 id: 3b49f92543 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - らんのうんさん» コメントありがとうございます!個人的に難しい作品だったのでらんのうん様にそう言って頂けて嬉しい限りです。ありがとうございます! (2023年2月8日 0時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
らんのうん - 完結おめでとうございます!かめそんさんの作品は以前から拝見させて頂いておりましたが、今作は特にtmさんにドキドキしてしまいました…!これからも応援しています! (2023年2月7日 23時) (レス) @page48 id: 2fe057f917 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - えにさん» コメントありがとうございます!初めてがこの作品だとは……!嬉しいお言葉まで貰えて完結出来たかいがありました…!ありがとうございます! (2023年2月4日 16時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かめそん | 作成日時:2022年9月26日 19時

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