新しい人と見慣れた人 ページ19
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「朱梨さん？！」
ガラッと勢いよく扉を開けたともさんは、目の前の女の人の名前を叫んだ。
………しゅり……ってだれだ…？
私も慌てて立ち上がって玄関の方まで駆けると、見えたのは薄ピンクの着物。
足元に近付くほど濃くなるピンク色は、彼女の茶色い髪の毛と酷く似合っていて、思わず息を飲んだ。
しかしそれもつかの間、私は目線を彼女の手元まで戻した。
「あんた聞こえんかったん？！ぺんちゃんSOS出しとったで！」
「は、はぁ？！聞こえてないよ！！
だから今から行こうと………っ、ぺんちゃんっ！！」
「酷い怪我っ…！」
ツン、と鼻に残る血の匂い。
ポタ、と小さくても聞こえるその音は赤色を纏っていた。
少しふわりとしている髪の毛と、さっきまで見ていた着物の色。
少し高い下駄。
…紛れもなく、ぺいんとさんだった。
でも、"いつも"のぺいんとさんじゃない。
血だらけで、笑ってくれるどころか意識すらない
女性のしゅりさんという肩に担がれている彼は、どう見ても普通じゃなかった。
「とりあえず話は後！ぺんちゃんの手当を優先にここでさせてくれん？」
「も、もちろん！入って！」
ともさんの言葉を合図に、私は救急箱へと走り出した。
……涙を流すのは後だ。
心に募る小さな蟠りは、どんどんと大きくなっていくのがわかって、思わず下唇を噛む。
私のせいだ、ぺいんとさんがこんな姿になったのは。
誰かに違うと言って欲しい、そんなわがまますら浮かんでくるけど、そんなの甘えであって、事実にはかないっこなくて。
ぺいんとさんに謝らなきゃ、ごめんなさいって
だから生きて。
お願いだから、
「大丈夫、呼吸はあるよ」
「…っ…ともさん……」
そっと重ねられた右手。
……この人の言葉には、安心しか生まれない。
ゆっくり融けていく、不安な気持ち
やっぱり好きだなんて、今思うべきことじゃない。
でも。
＿＿＿小さく息をついて、消毒を手に取った。
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かめそん(プロフ) - りあ@プリ小説してまーすさん» わ〜！お久しぶりです！！読んでくださってありがとうございます！！！嬉しいです！！ (2023年2月9日 19時) (
レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
りあ@プリ小説してまーす(プロフ) - 浮上さぼってた間に完結してる！！！！お疲れさまでしたぁ！！！！夢主ちゃん幸せに爆発して…(？) (2023年2月8日 9時) (レス) @page48 id: 3b49f92543 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - らんのうんさん» コメントありがとうございます！個人的に難しい作品だったのでらんのうん様にそう言って頂けて嬉しい限りです。ありがとうございます！ (2023年2月8日 0時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
らんのうん - 完結おめでとうございます！かめそんさんの作品は以前から拝見させて頂いておりましたが、今作は特にtmさんにドキドキしてしまいました…！これからも応援しています！ (2023年2月7日 23時) (レス) @page48 id: 2fe057f917 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - えにさん» コメントありがとうございます！初めてがこの作品だとは……！嬉しいお言葉まで貰えて完結出来たかいがありました…！ありがとうございます！ (2023年2月4日 16時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かめそん | 作成日時：2022年9月26日 19時
