【akgmクラフト】幸せにするから一緒に暮らそう１０ (ページ19)

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あたしはゆっくりと手紙を開いた。

『麻美へ

手紙を見つけてくれてありがとう。

麻美の笑顔には毎度助けられて生きてきた。本当に幸せだったよ、ありがとう

これから話すことは、お前にとっては辛いかもしれない、言い逃げのように聞こえるかもしれない。

それは本当に悪いと思っている、

でもこれだけは忘れないで欲しい。

麻美は大事な家族で、大切な存在だから。』

父が書いた文字をなぞる。

辛いこと、って…なに？

あたしは、空白になっている行を追う。

あ「……………え……？」

『俺と麻美は、本当の家族じゃないんだ

麻美の母親は、お前が生まれて直ぐに亡くなって、父親もその後不慮の事故で亡くなった。

俺は麻美の母の、兄なんだ。

ずっと黙っていてごめんな

いつ話そうかと思っていたんだが、麻美の笑顔を見るとどうも両親が居ないことを伝えられなかった。

いっそのこと俺が父親になってもいいんじゃないかと思い始めて言えなかった。

酷い言い訳だ、ごめん。

俺は麻美を愛してる。

これから麻美にどんな事が降りかかろうが俺が上から守ってやる。

お前の1番の味方ということを忘れないで欲しい

p.s. こんなダメな父親で申し訳なかった』

あ「………嘘………お父さんが……家族じゃないなんて………」

ぽた、と手紙に雫が落ちる。

…あたしは、お父さんの本当の子供じゃなかった。

家族だと思っていた人が、本当は赤の他人だった。

………お父さんは、赤の他人を育ててきたってこと？

あたしを家族として受け入れてくれて、あんなに大事に………笑顔で、沢山働いてくれて…………

あ「っ……………ありがと…っ……」

涙が、止まらなかった。

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