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「今日はお疲れさん!帰ろか」






『はい、お疲れ様でした』






タワーにいたときから四時間経った。






その間は、街の中を流れる川のそばを歩きながら写真を撮ったり、その近くの団子屋で休憩したり。
賑やかなところから離れて、わりとゆったりと時間を過ごしていた。






これから一時間ほど電車とバスに揺られて、何もないけどホッとできるところへ帰る。






電車の座席はまだ空いている。疲れた足をいたわることができてよかった。






でも、久々にこういうところに出れて楽しかったな。連れ出してくれた先輩に感謝。






「これでカメちゃん、当分来ないんちゃう?笑」






『そうですね。今年はもう来ない気がしてます』






「あー、俺も来おへんかも。今年受験やしな」






ため息混じりに呟いた。






そっか…。あまりそんな感じなかったけど、先輩って受験生だったんだ…。






つまり、来年は先輩がいない。






もし新入生も来ないとなると、私は教室でも部活でも一人、か。






「ま、そんなん言うても引退ギリギリまでいろんなとこ引っ張り出したるからな笑」






“やってこんな可愛い後輩ちゃんがおるんやもーん”と、私の肩に頭をコツンとぶつけてきた。






『あの、私、先輩と仲良くなれてよかった…です』






「へっ?……っえ、何それ。めっちゃ嬉しいんやけど!もっかい言ってや」






『嫌です。もう言いません』






「なんでや!ケチやな〜笑」






ひとしきり話をして、会話が続かなくなった頃。






急に…眠気が………






電車の揺れと……疲れが…相まって………






「カメちゃ、ん?」






『Zzz...』






「ふふっ笑 そりゃ眠くなるよな」






夢の中に落ちました。













『…ん、あ!え、』






目が覚めたら、バスの中にいた。






「あ、起きた」






『あの、電車賃…!』






「払ってあるから笑 乗り逃げ犯にはなってへんよ笑」






『それから、どうやってバスに…?』






私、一回も目を覚ました記憶がないんですが。






「ん、おぶってきた」






『っひえぇ、!』






高二にもなって、お、おんぶされたってこと…?
恥ずかしい…消え去りたい…。






『それは、ありがとうございました。でも、そういうときは起こしてください!』






「あ、それと神山にも会ったで」






完全に眠気が飛んで行った。






明日、教室に入るのが怖いです…。

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作者名:りんごといちご | 作成日時:2020年5月2日 20時

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