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あの日から数日、彰人君は勿論だが冬弥君ともぎこちなくなってしまった。

ぎこちなくなったこともあって必然的に彼らとも話す回数が減ってしまった。

だがこれでいい、元々必要以上に接し過ぎていたんだ。


「嗚呼Aくん、丁度良い所に」

「神代、天馬、何か用か」

「今日次のショーのリハーサルを見に来ないか!漸く昨日形になったんだ!」

そうして一人になったある日の放課後、類君と司君が話しかけに来た。

そう言えば曲を書くと約束していたな。


「嗚呼、ならお邪魔させてもらう」

「……ねぇ、あの三人と何かあったの…?」

二人に返事をして教室を出ようとした時、寧々ちゃんに制服の裾を引かれた。

この二人にはあまり分かりにくいかもしれないが同じクラスの寧々ちゃんにはやっぱり分かるだろうな。


「あの三人……というと冬弥達か?」

「…確かに、最近話しているところを見ないね」

「喧嘩、と言っていいのか分からないが、一悶着あった」

鞄を肩に担ぎつつそう言って廊下に出れば丁度目の前に冬弥君と彰人君が歩いていた。


「…!………」

「………じゃあ」

「嗚呼、じゃあな」

彰人君は俺を見て目を見開くもそのまま目を伏せて、冬弥君もいつもよりも感情が暗い哀しい感じだ、口数も少ない。


「………ふむ、何があったんだい?」

「喧嘩か?それならオレに話してみろ!」

「司に言ったらもっと悪化しそうなんだけど」

「なんだと!?」

首を傾げる類君にワイワイと言い合う司君と寧々ちゃんを見つつ、この前の顛末を掻い摘んで話しつつ学校の外に出る。



「――――……それは、Aくんにも非があるね」

「俺に非?」

ステージに着いて用意をしている四人を見ながら話をして、話し終われば少し考えた後に類君はそう言った。


「恐らくだけど、彰人くんは君のおかげで諦めないことを知ったんじゃないかな。そんな君が諦めろ、そう言ったことで怒りを覚えた、そんなところかな」

「……ねぇ、Aはなんで死人なの?今生きてるのは、違うの?」

「今生きてるのは生きている時間じゃなくて死んでいる時間だからな、お前らとは違う」

寧々ちゃんの問いかけに答えれば理解できないと言う様に首を傾げていた。


「僕も、諦めろと言ったあの時の君には正直怒りが芽生えたかな」

ニコニコとして隣に座った類君の言葉に視線を向ける。

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れんちゃ - もういつの間にか数年もたっていたんだな…続きをずっと楽しみにしてるよいつかまた戻ってこねぇかな (5月27日 1時) (レス) @page50 id: 98fe1eda88 (このIDを非表示/違反報告)
のなめ - 最高です (2022年12月23日 15時) (レス) @page50 id: 2b5e96f834 (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです。続き楽しみにしてます! (2022年5月21日 18時) (レス) @page50 id: 0a8dc521f1 (このIDを非表示/違反報告)
nana民(プロフ) - あんまりGLって苦手なんですけど主様のは全然welcomeです (2022年4月11日 15時) (レス) @page33 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
錫也(プロフ) - キャラ同士のCP込のやつってあまり読まないんですけど、好き。主くんの考え方も好きだし、鋭くてそれでも好意を受け取らないとか、最後の最後にちゃんと自分っていうのを確立できたような、文才から何から優ですわ… (2022年2月18日 11時) (レス) @page50 id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@黒 | 作成日時:2020年11月23日 10時

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