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「A!元気か?」

「こんにちはAお兄ちゃん!これお見舞いの果物!」

「元気ではある、結局お兄ちゃん呼びになったのか」

相変わらず元気そうな司君と笑顔な咲希ちゃんが入ってくるのを見ながらスマホを枕元に置く。

昨日は何もすることが無かったがずっとスマホに入っている画像を眺めていた、ちなみにオレの画像フォルダーは送られてきた画像でいっぱいだ。あの後も色々と画像が送られてきてこのペースだと容量がいっぱいになるのも遠くない日だろう。


「それでAお兄ちゃん、私に聞きたいことって?」

「……悪い司君、二人で話をしてもいいか」

「ん?嗚呼構わないぞ!オレは下の店で何か買ってくる!」

少なくとも聞いてて気分のいい会話ではない、そういう会話をするから司君には席を外してもらった。

ニコニコと笑って頷いてはパタパタと病室を出ていく司君を見送る。


「……話なんだが、あまりいい気持ちになるものじゃない。それでもいいか?」

「良く分からないけど…Aお兄ちゃんの為になるなら大丈夫!」

俺の問いかけにキョトンとするも、しっかりと頷いた咲希ちゃんに妹の姿がどうしても重なる。

(……妹も、咲希ちゃんみたいな感じだったな)


だからこそ、咲希ちゃんなら教えてくれるかもしれない。俺の妹の、最後の言葉を。



「―――…もし、もしだが、司君が不意な事故で死んでしまったとして、咲希ちゃんならその葬式で、司君になんて言う」

「………お兄ちゃんが…死んじゃったら……?」

こんな質問をされると思っていなかったのかキョトンと惚けた顔をして首を傾げた咲希ちゃんに頷く。

咲希ちゃんなら、俺の妹に似ているこの子なら、何かヒントをくれるかもしれない。

難しい酷な質問をしているのは分かっているんだが、類君の考えに沿うならあの答えを知らない限り俺は恐らく立ち止まったままだ。

……せめて、死人ではない、何かになりたい。



「……うーん……お兄ちゃんが……」

「難しい酷な質問をしていることは分かっているんだが」

「……そうだなぁ……多分泣いちゃうし、凄く取り乱しちゃうかな」

暫く考えた素振りを見せた咲希ちゃんは苦笑しつつそう言って首を傾げた。

…妹もそうだった、酷く取り乱して、泣いていた。


「…うん、けど……多分こういうと思う」

その声に顔を上げれば、咲希ちゃんは穏やかに笑った。





「「――――私、お兄ちゃんの分も一生懸命生きるから!」」

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れんちゃ - もういつの間にか数年もたっていたんだな…続きをずっと楽しみにしてるよいつかまた戻ってこねぇかな (5月27日 1時) (レス) @page50 id: 98fe1eda88 (このIDを非表示/違反報告)
のなめ - 最高です (2022年12月23日 15時) (レス) @page50 id: 2b5e96f834 (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです。続き楽しみにしてます! (2022年5月21日 18時) (レス) @page50 id: 0a8dc521f1 (このIDを非表示/違反報告)
nana民(プロフ) - あんまりGLって苦手なんですけど主様のは全然welcomeです (2022年4月11日 15時) (レス) @page33 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
錫也(プロフ) - キャラ同士のCP込のやつってあまり読まないんですけど、好き。主くんの考え方も好きだし、鋭くてそれでも好意を受け取らないとか、最後の最後にちゃんと自分っていうのを確立できたような、文才から何から優ですわ… (2022年2月18日 11時) (レス) @page50 id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@黒 | 作成日時:2020年11月23日 10時

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