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「大丈夫、Aもいるから」

小さく頷いて微笑んだ寧々ちゃんになんとなく頭を撫でれば少し照れたように目元を赤くして目を伏せた。

妹を思い出すな、褒めてこうして撫でてやったら嬉しそうに笑っていた。



「此処がAの家…」

「……金持ちかなんかか?」

「おっきな家…」

放課後にこはねちゃん以外の三人を連れて家に来れば三人各々の反応を返された。

確かに無駄に大きい家だが、元々は両親と俺と妹の四人だったし両親の作業部屋も無駄にあったし俺もスタジオやら色々増築して無駄に大きくなっただけなんだが。


「こっちだ」

家のドアを開けてスタジオに入れば驚いた顔をして三人も入ってきた。

この前冬弥君にチケットを貰ったライブハウスよりは小さいが、機材は基本プロも使うものばかりだ。

それに防音もしっかりしている、前世で増築の時に業者と散々話し合ったからな。


「本当にこれ家の中なのかよ…」

「…凄いな、話には聞いていたが…」

「機材もちゃんとしてる、というかこれ確か何十万する機材じゃない?」

呆然とした様子でスタジオの中を見渡す三人を見つつパソコンを開けば曲の譜面を開く。


「とりあえずなんでもいい、一人ずつ歌える曲を一曲歌え」

「何でもいいの?」

「嗚呼、録音した音と実際の音は違う。俺が実際の歌声を聴いたのは一度きりだからな」

パソコンで録音の設定を打ち込みながら杏ちゃんの問いかけに答えれば何を歌うのか考えているらしい。

俺はマイクの調整をしつつパソコンを持って移動した。



(――――……実際に聞くと、やっぱり若干の音程の誤差はあるな)

印刷した楽譜に三人の声を聴きながら調整を書き込む、思っていたよりも調整は少なめだがやはり多少の誤差はあったな。

「どんな感じだ」

「やっぱり調整かける必要があるな、素人の耳なら到底分からないだろうがプロや近くで歌っているお前らだと耳に若干のわだかまりが残る」

スタジオから出てきて近寄ってきた冬弥君にそう言えばジッと五線譜を見下ろしていた。

後はこはねちゃんの声を聴いて最後に調整をかけて最後に揃えれば曲として完成するだろう。


「………A」

「なんだ」

ジッと五線譜を見つめていた冬弥君が小さく俺の名前を呼んだ。

顔を上げれば冬弥君と目が合……――――



「…俺は、Aが………むぐ」

「断る」

言いかけた言葉を手で口を塞げば先にそう言う。

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れんちゃ - もういつの間にか数年もたっていたんだな…続きをずっと楽しみにしてるよいつかまた戻ってこねぇかな (5月27日 1時) (レス) @page50 id: 98fe1eda88 (このIDを非表示/違反報告)
のなめ - 最高です (2022年12月23日 15時) (レス) @page50 id: 2b5e96f834 (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです。続き楽しみにしてます! (2022年5月21日 18時) (レス) @page50 id: 0a8dc521f1 (このIDを非表示/違反報告)
nana民(プロフ) - あんまりGLって苦手なんですけど主様のは全然welcomeです (2022年4月11日 15時) (レス) @page33 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
錫也(プロフ) - キャラ同士のCP込のやつってあまり読まないんですけど、好き。主くんの考え方も好きだし、鋭くてそれでも好意を受け取らないとか、最後の最後にちゃんと自分っていうのを確立できたような、文才から何から優ですわ… (2022年2月18日 11時) (レス) @page50 id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@黒 | 作成日時:2020年11月23日 10時

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