track79 ページ29
「A、大丈夫なの…？」
「嗚呼、申請は出している」
「ほぇー、お外に出るのも大変なんだね！」
心配そうに俺を見上げる寧々ちゃんに嘘ではない事実を掻い摘んで伝えれば驚いたようにえむちゃんが首を傾げた。
「嗚呼、咲希も入院していた時は外に出るのも大変だった…折角外に出たんだ！ショーを楽しんでいってくれ、Aの曲とオレたちのショーで皆を笑顔にさせてみせる！」
「嗚呼、楽しみにしてる。お手並み拝見だな」
司君の言葉にそう言えば少し会話を交わしてから四人と別れた。
準備をこれ以上邪魔してもいけないからな。
「――――皆様の声援のおかげで無事に乗り切ることが出来ました！今一度我等がキャストの皆に拍手を！」
ショーを終えて、手を広げて閉幕の挨拶をする司君に気が付けば拍手を他の客に交じって送っていた。
……一言でいえば、凄かった。
確かに前のショーも凄かった、だが今回のショーは……――――
(……俺の曲は、こんなにも楽しそうな曲だったろうか)
ショーの合間に流れた、聞き覚えのある曲。
確かに俺が作った曲だが、俺が作った曲ではない気がする、そんな錯覚に陥りそうだった。
「A！どうだった、オレ達のショーは！」
ふと司君の言葉に我に帰ればえむちゃんと司君がこちらに走って来ていた。
後ろからは寧々ちゃんと類君が微笑んで歩いてくる。
「――――……凄かった」
「そうだろうそうだ……！？」
「ふわぁ…！」
二人を見てそう言えば自慢げに言いかけた司君が俺と目が合って固まり、えむちゃんも不思議な声を出して俺の顔を見つめている。
そんなに変な顔をしているのか、俺は。
「「………」」
後ろから歩いて来ていた二人も足を止めては俺の顔をジッと凝視している。
だからなんなんだ、何か付いているのか。
「……A、今……笑っていた…か…？」
「……俺が、笑った？」
驚きと、呆然と、少しの嬉しさの色を混ぜたような感情の色を纏った司君が俺に近寄り首を傾げた。
笑う、俺が？
思わず顔に手を当てて、スマホのカメラで自分の顔を見てみるも相も変わらずの無表情だ。
「…見間違いじゃないか」
「ううん！今笑ってた！ふにゃって！」
「……Aの笑った顔、初めて見た…」
「……俺もだよ」
思わず見間違えじゃないか指摘してみたが三人の反応を見る限り本当らしい。
類君に至っては恐らく驚きすぎで一人称が変わっている、そんなに驚くか。
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れんちゃ - もういつの間にか数年もたっていたんだな…続きをずっと楽しみにしてるよいつかまた戻ってこねぇかな (5月27日 1時) (
レス) @page50 id: 98fe1eda88 (このIDを非表示/違反報告)
のなめ - 最高です (2022年12月23日 15時) (レス) @page50 id: 2b5e96f834 (このIDを非表示/違反報告)
玲 - 好きです。続き楽しみにしてます! (2022年5月21日 18時) (レス) @page50 id: 0a8dc521f1 (このIDを非表示/違反報告)
nana民(プロフ) - あんまりGLって苦手なんですけど主様のは全然welcomeです (2022年4月11日 15時) (レス) @page33 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
錫也(プロフ) - キャラ同士のCP込のやつってあまり読まないんですけど、好き。主くんの考え方も好きだし、鋭くてそれでも好意を受け取らないとか、最後の最後にちゃんと自分っていうのを確立できたような、文才から何から優ですわ… (2022年2月18日 11時) (レス) @page50 id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＠黒
| 作成日時：2020年11月23日 10時
