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「…………俺も、悪かった。ただ、許した訳じゃねぇ……全部終わったら、話してもらうからな」

「嗚呼、一時休戦だ」

俺の言葉に遠くで「良かったね東雲くん!」というこはねちゃんの声と「良かったじゃん彰人!」という杏ちゃんの声が聞こえた、とりあえずはこれで大丈夫だろうか。


「A、怪我は大丈夫なのか?」

「嗚呼、医者に奇跡扱いされたがな。明日の検査次第で動きが変わる。心配を掛けたな」

「嗚呼……だが彰人にも言ってやってくれ。……あんな彰人の顔、初めて見た」

よく分からないが何かこっちでもあったらしい、「明日、皆で見舞いに行く」と話を済ませてから電話を切ればポスンと類君が寄りかかってきた。


「……死人なのか、分からなくなったのかい?」

「……嗚呼、分からなくなった。ただ考えるのは後だ、天馬達のショーと彰人君たちのライブ、それともう一つあるがそれが終わってから考えることにする」

「……その答えが見つかった時、この前のえむくんと司くんの告白の答えも変わるのかな?」

類君からの問いかけに考える、俺が死人で無くなった、もしくは別のものになった時、その時は……――――。


「……変わるかもしれないな」

「……フフ、その答えが聞けただけでも良しとしようか」

クスクスと俺を見て笑う類君を見ているとバタバタと騒がしい足音が近づいてきた。


「A!起きたのか!」

「だいじょーぶAくん!?」

「病院では静かにしろ、ドアを壊す気か」

けたたましいバンッという音を立ててスライドしたドアを見てそう言えば「う…すまない…」とシュンとして近寄ってきた。


「フフ、元気だね司くん」

「類も、前よりはマシになってる」

「あ!ちゃんと話は出来たのか類?」

「Aくんだいじょーぶ?痛くない?」

「嗚呼、刺された時よりはマシだな」

目の前でざわざわと話し出した三人を見つつ近寄ってきたえむちゃんに答える。

(……もし、死人でないなら……俺は、なんて返事するんだろうか)


「あのねー、類君すっごく心配しててね、げっそりしちゃってたんだよ!」

「前より、ずっとやつれてた。……ずっと、傍に居るんだって言って聞かなかった」

「目の前で刺されたからな、心配はしてた」

トコトコとえむちゃんの隣に来た寧々ちゃんが心配そうな顔でそう言ったのを聞いて、やっぱり早く起きたのは正解だったなと思う。

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れんちゃ - もういつの間にか数年もたっていたんだな…続きをずっと楽しみにしてるよいつかまた戻ってこねぇかな (5月27日 1時) (レス) @page50 id: 98fe1eda88 (このIDを非表示/違反報告)
のなめ - 最高です (2022年12月23日 15時) (レス) @page50 id: 2b5e96f834 (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです。続き楽しみにしてます! (2022年5月21日 18時) (レス) @page50 id: 0a8dc521f1 (このIDを非表示/違反報告)
nana民(プロフ) - あんまりGLって苦手なんですけど主様のは全然welcomeです (2022年4月11日 15時) (レス) @page33 id: 52a3fcc53d (このIDを非表示/違反報告)
錫也(プロフ) - キャラ同士のCP込のやつってあまり読まないんですけど、好き。主くんの考え方も好きだし、鋭くてそれでも好意を受け取らないとか、最後の最後にちゃんと自分っていうのを確立できたような、文才から何から優ですわ… (2022年2月18日 11時) (レス) @page50 id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@黒 | 作成日時:2020年11月23日 10時

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