Dr.STONE:短編集 (ページ9)

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(おーっと……このご時世には何の意味もねぇが不法侵入だ)

思わず覗き込んだ体制から隠れれば思わずため息を零した。

……いやまぁ、スイカとエンカウントしてからと考えれば随分と遅いご登場かもしれねぇがな……――

？「……おい、テメーと話をしに来たんだぜ、A？」

……いや分かってて『はいそうですか』って出る方がアホだろ……

小さくため息を吐きながら部屋の中を伺えば、棚を見上げていた影がこっちを向いていた。

……いやそのままあっち向いててくれ、頼むから()

(というかさりげなく名前を呼ばれたってことは…スイカが吐かされたか……まぁ流石に口封じはあの子供には無茶だったか)

そんなことを考えつつ辺りに視線を巡らせる。

流石に、此奴一人で来るわけがねぇ、なんせ体力ミジンコだ()

と考えると、コハクが来てる可能性が高いな。なんせスピードがある。

「…俺は用はないんだが」

？「お前が無くても俺にはある。……あの試験管、どうやって作りやがった」

(…？………そうかしまった…！『今』の此奴には土器しかないのか…！)

完全に下手を打った…そうだこの『今』の時点だと此奴にガラスの現物はねぇんだ！

？「……だんまりか？」

「……不法侵入の挙句にいきなり知らない人間に問い詰められてもな」

？「ククク、このストーンワールドに法律もありやしねぇだろ」

笑う声と共にこちらに歩いてくる足音に目を細めつつ視線を巡らせる。

(……気配は感じられねぇ…がいきなり攻撃してくることはねぇだろ…)

そう考えては小屋の上に飛び乗り研究室から出てきた影を見下ろす。

？「―――……俺は石神千空だ、テメーは？」

随分と楽しげな笑みを浮かべた主人公―石神千空―があの試験管を片手に笑って俺を見上げていた。