＊ ページ5
乱数SIDE
(んー……今日はおねーさんも皆忙しいみたいだし……帝統も幻太郎も用事があるって言ってたし……ちぇ、暇だなー………仕事をしようにもあらかた片付けちゃったしなぁー……)
珍しく全員予定が合わず、いつもの様に飴を食べながらホームでもある渋谷の街に繰り出していた。
本来であれば、今頃自分は仕事の会議をしている筈だったが向こうの事情で急遽会議が取りやめになってしまい、それで暇になってしまったのだ。
「もー!!ドタキャンするなんて、めっだよ!!」
今は此処に居ない取引相手にそう言いつつ辺りを見渡しながら街中を歩く。
(―――……ん??……人だかり…??)
不意に駅の近くの交差点で人ごみを見かけては首を傾げる。
自身のホームでもあり暮らしているこの渋谷では特にイベントが無くとも人に溢れ、ほぼ毎日お祭り騒ぎのような活気に包まれていることは当たり前だが、目の前の人ごみは何処か異様だった。
(……ラップバトルをしてるなら声が聞こえる筈だけどリリックも歓声も聞こえないし……それどころか……――――――)
そう、目の前の人だかりは歓声どころか物音ひとつ立てずに何かに視線を向けていた。
まるで、何か物音を立てれば怒られると言わんばかりに、その視線の先のものにカメラを向ける人間さえいなかったのだ。
「………ふーん……」
(――――…この渋谷で、こんな物静かな場所が出来上がるなんてね……)
ガリッと飴を噛み砕けば、新しい飴のビニールを取りつつその興味が惹かれた人ごみに近づいた。
「ねぇねぇ、何をそんなに見てるのー??」
女「え??…って乱数君!?!?」
女「え!!本物??可愛いー!!」
人ごみの中のお姉さんたちに声を掛ければいつも言われている反応が返ってきた。
「うん、本物だよー??…それで、何を見てるの??」
女「あ、あの人なんだけどさ……」
女「あれって…やっぱり本物なのかな??」
「??」
(『あの人』??『本物』??……誰かが此処に来てるってこと??)
「……ちょっと通してねー!!僕も見たーい!!」
女「あ!!乱数君!!」
尚小声でコソコソと話すお姉さんたちを横目に、わざと声を上げれば僕の存在に気付いた人たちがわざわざ道を開けてくれる。
飴村乱数、渋谷でこの名前を知らないものは居ない筈だ。
(さぁて…一体どんな人が居るのかな??)
ほんの少し口角が上がるのを感じつつ人ごみを抜ければ目の前に一人の姿が見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 433人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
だふにあ - 続きをお待ちしています!!!!!!!とても気に入りました!!!!!!! (2021年6月16日 19時) (
レス) id: db3e93e9ba (このIDを非表示/違反報告)
白玉うどん - 続きお待ちしてます!!頑張って下さい!!めっちゃ好きです!! (2021年5月21日 21時) (レス) id: fccb4e77b5 (このIDを非表示/違反報告)
ふーちゃん(プロフ) - 続き待ってます!頑張って！ (2021年4月11日 18時) (レス) id: 9172c0bbed (このIDを非表示/違反報告)
＠黒(プロフ) - 半分ニートガールさん» コメントありがとうございます!!実は私も結構この設定はいろんなシチュエーションが書けるので面白いです(((更新がんばります!! (2019年7月23日 11時) (レス) id: 124f92440d (このIDを非表示/違反報告)
＠黒(プロフ) - 文月さん» コメントありがとうございます!!面白いと言っていただき嬉しいです!!更新ゆっくりですが頑張ります!! (2019年7月23日 11時) (レス) id: 124f92440d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＠黒
| 作成日時：2019年3月21日 16時
