傷痕 ページ10
緑「そっか…えっとね……かっちゃんが誘拐されちゃって、それで取り返して、今は寮生活してる所かな??」
「…そうか…大分最近の話だな」
何度も読み返した物語の内容を思い出しながら小さく呟けば、ふとあることを思い出す。
(……さっき、オールマイトが『額の傷が』って……何のことだ…??)
考えつつ前髪をそっと上げれば緑谷出久と轟焦凍が驚いたように目を見開いた。
緑「かっちゃん…その傷……さっきオールマイトが言ってた傷??」
轟「……なんだこの傷跡……」
「…やっぱり傷があるのか」
二人の反応を見るにどうやら傷はしっかりとあるらしい。
反応から見るに、普通の傷ではないようだ。
「どんな傷痕だ？」
緑「…見たこと無いなぁ……」
轟「……銃創だ」
緑「銃創…??」
何処か気難しい顔で轟焦凍が呟いた。
……嗚呼、そういうことか。
「俺が爆豪勝己になる前に、撃たれたんだ」
この世界で目が覚める前のことを思い出しそう言えば、二人は驚いたように目を見開いた。
緑「…撃たれた……って」
轟「……爆豪になる前、何があったんだよ」
両側に緑谷出久と轟焦凍が座り、俺を見る。
「母さんに背中を刺されて、父さんに頭を撃たれたんだ」
空を見上げつつそう言えば、両隣から息を飲む音が聞こえた。
「父さんも母さんも悪くないんだ、俺が何時まで経っても生きてるから。さっさと死んでしまえば良かったのにな、臆病なせいで死ねないまま。……そのせいで、母さんも父さんも泣いてた」
(嗚呼、あの時もこんな綺麗な空だった)
雲一つない空を見上げながら、そんなことを思っていた。
母さんに刺されて、父さんに撃たれたあの時も、こんな綺麗な空だった。
緑「………じゃあ……」
轟「………額の傷は、その傷……か」
「それくらいしか、思い当たる節が無い」
小さく首を振りそう言えば、ペットボトルの蓋を開け一口水を飲む。
「だから、俺は死なないといけなかったんだ」
緑・轟「………」
話が終わっても轟焦凍と緑谷出久は黙ったままだった。
「ただ、今の俺は死ねない。峯川Aじゃないから」
トンッと立ち上がり、二人を振り返れば少し微笑む。
これが夢だろうが現実だろうが構わない。
夢が覚めれば待っているのは冷たい現実だ。
だったら、せめてもの夢の中、少しだけ自由になってもいいだろうか……??――――――――
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トカ - つ、続きをお恵みください！！！ (2月24日 17時) (
レス) @page14 id: e74bb02192 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#にゃんはる - お、、、、、、おわり？え、終わり？!続きを恵んでくださあああああい(泣)勝手ながら待ち続けますが。 (12月22日 17時) (レス) @page14 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
Yuna(プロフ) - 続き楽しみ過ぎる…頑張ってください！ (9月22日 22時) (レス) @page13 id: 8dc1901234 (このIDを非表示/違反報告)
かみきれ(プロフ) - 主人公くんの性格が好きです…！続きをお恵みください作者様！ (5月20日 10時) (レス) @page14 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
霜凪さん推し【ヤミ（作者:彗星）】 - 続きが欲しいです！！！ (2023年2月23日 16時) (レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＠黒
| 作成日時：2018年10月23日 0時
