終 ページ2
「この役立たず!!」
「お前なんか生むんじゃなかったよ!!」
「ねぇ、峯川さんっていっつも暗いよね」
「そうそう、なんか気持ち悪いよねー」
知ってる、俺が必要とされてないことも。
知ってる、俺に死んでほしいことも。
全部知ってる、俺は要らないことも。
両親も、学校のクラスの奴らも、皆俺が死んだってどうでもいいことを知ってる。
(でも死ねないのは、俺が臆病だから)
雨降るとある日、傘を手に街中を歩く。
学校帰りに何処かに寄ることなんて普通はしないけど、今日は買いたいものがあった。
「……良かった、あった」
本屋に着けば一冊の漫画に手を伸ばす。
『僕のヒーローアカデミア』、俺が唯一好きな漫画だ。
(帰ったら早く読みたい……今日は両親は帰ってこない筈だ)
漫画を買えば胸に本を抱えて歩き出す。
ドンッ!!……――――
「あ……すみませ…………??」
背中に誰かがぶつかったと振り返りつつそう言おうとするも、背中に鈍い痛みがすれば言葉が遮られる。
視線を落とせば、そこには包丁が深々と刺さっていた。
(……あ………刺された……―――――)
ジワジワと制服に血が滲んでいけば、フラリとその場に座り込み目の前に立つ人を見上げる。
「………か、さん……」
「……アンタが、アンタが悪いのよ……いつまでも生きてるアンタが悪いのよ…っ!!」
母さんは泣いていた。
嗚呼、また俺のせいで泣かせた。
ごめんなさい。
泣かせてごめんなさい母さん。
俺のせいで手を掛けさせてごめんなさい。
そう思っていれば、母さんの後ろから父さんが出てきた。
「……お前が悪いんだ、全部全部お前が。生きてるお前が、生まれたお前が悪いんだ」
そう言えば、父さんは後ろに隠していた銃を取り出せば俺に向ける。
……嗚呼、俺は父さんにも迷惑を掛けたのか。
ごめんなさい父さん。
「………ごめん、なさい」
父さんと母さんを見上げながら小さくそう言えば、俺はそっと目を閉じた。
パンッ!!……―――――
乾いた音と共に焼ける様な痛みを額に感じれば、俺はその場に倒れ込む。
……結局、漫画読めなかった。
嗚呼、父さん、母さん、俺のせいでごめんなさい。
二人の手を汚させてごめんなさい。
生きててごめんなさい。
死ななくてごめんなさい。
生まれてきてごめんなさい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 644人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
1代目平和の象徴すなわち転生者。【男主】
【どうして】好きな漫画に転生したと思いきや悪徳令嬢に成り代わった【こうなった... 【ヒロアカ】転生したらこの上なく存在が意味深になりました。【勘違い】もっと見る
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トカ - つ、続きをお恵みください！！！ (2月24日 17時) (
レス) @page14 id: e74bb02192 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#にゃんはる - お、、、、、、おわり？え、終わり？!続きを恵んでくださあああああい(泣)勝手ながら待ち続けますが。 (12月22日 17時) (レス) @page14 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
Yuna(プロフ) - 続き楽しみ過ぎる…頑張ってください！ (9月22日 22時) (レス) @page13 id: 8dc1901234 (このIDを非表示/違反報告)
かみきれ(プロフ) - 主人公くんの性格が好きです…！続きをお恵みください作者様！ (5月20日 10時) (レス) @page14 id: 1778223a4a (このIDを非表示/違反報告)
霜凪さん推し【ヤミ（作者:彗星）】 - 続きが欲しいです！！！ (2023年2月23日 16時) (レス) @page14 id: d82d2213ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＠黒
| 作成日時：2018年10月23日 0時
