葛藤 ページ21
扉の向こうから現れたのは
私のお父さんだった
手にはなぜか私のコートを持っている
『A』
「お父さん、どうしてここに」
『……』
「お義父さん…すみません。
会ってはいけないと言われていたのに、約束を破ってしまって…」
『ジョンインくん
顔色が悪い。とりあえず座りなさい』
「…でも」
『体調が悪いんだろう？無理をしてはいけない』
「……」
お父さんがジョンインさんの腕を支えるようにしてベッドまで連れて行く
「あれ？
ジョンインさん…そういえば、点滴はどうしたんですか？まだ結構残ってましたよね」
「あぁ。さっき自分で外した」
「え！どうして」
「いや…ほら…」
『Aのためだよ』
「え…？」
『気を失ったAを運ぶために、点滴を抜いてそのままナースステーションに駆け込んだんだ』
「…
本当ですか？ジョンインさん」
「……」
「ごめんなさい、私の所為で」
「違う。Aは何も悪くない。
…ところで
お義父さんはどうしてそのことをご存知なんですか？」
『見てたんだ』
「え？」
「…
お父さん、いつから病院にいたの？」
『Aの後について来たんだよ。
実は、Aが家の外に出てすぐぐらいに、父さんも外に出た。コートを着た方が良いと思って』
あぁ
そのまま来たから私のコートを持ってるんだ
『そのとき
ジョンインくんが病院にいるという話が偶然聞こえて、Aはそこに向かうんだってわかったから…悪いとは思ったけど、後を尾けさせてもらった』
「……」
『まさか、Aまで倒れるとは思わなかったけど』
そう言うと
悲しそうな顔をして私を見つめる
『ごめんな』
「え…？」
『父さんが間違ってたよ。
結婚させるのも、離れ離れにするのも、全部父さんの気持ちだけで決めてしまった。
Aとジョンインくん2人のことは、2人で決めるべきなのに』
俯くお父さん
それを見て
近づこうかやめようか迷っているジョンインさん
『Aが弱っていく姿を見ていて、本当にこれで良かったのか悩んでた。そしてジョンインくんも同じように体調を崩したと知って…
このままじゃいけないと思ったんだ。
それで、母さんに相談しに行った』
「えっ
お母さん？」
突然の母の登場に驚いて、ジョンインさんと顔を見合わせる
『ジョンインくんがいる前で言うのは悪いんだが…奥様たちが今までAにしてきたことは、やはり許せない。それは私の妻も同じ気持ちだ』
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そら(プロフ) - とても面白くて一気読みしちゃいました！！また読みにきます！ (2022年4月1日 23時) (
レス) @page28 id: ba25a8467e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - わーいジョイナ^_^ (2020年3月30日 22時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何回も何回も読み返しているので続編の更新本当に嬉しいです。毎日イヤなニュースばかりですが楽しみがまた出来ました。ありがとうございます。 (2020年3月30日 22時) (レス) id: 5075b515c0 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ(プロフ) - 以前から少し拝見させて頂いてましたが、時間が空いてしまったので初めから一気に読み直しました！ 何度読んでもニヤニヤして、胸が痛くなってとても感情移入して読んでいました！楽しかったです、ありがとうございました！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 448e876d4c (このIDを非表示/違反報告)
sumi(プロフ) - はじめまして^^* 始めからがーっと！一気に読みました！泣いた泣いた(；A；)面白かったです！レモンさん感動ありがとうございましたー！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: 8b7afa5c98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年8月17日 12時
