窮地 ページ4
『ちょ、おいおい
待てって…何を』
暴れる男をバスタブに転がし、上からシャワーで水をかける
『ゴホッ…ゴホゴホッ！
まっ…息が…ゴホッ』
「……」
『ジョンイナ
そこまでしなくても良いんじゃないか？』
「早く教えろよ」
『ゴホゴホッ！』
「部屋番号は？」
『やめろって…ゴホッ、死ぬ、』
「答えろ！！
Aはどこにいるんだよ！」
水を被ってどれだけ苦しんでいても関係無い
Aさえ助けられれば
他のことなんてどうでも良いんだ
『ゴホッ…
わかった、わかったから。ゴホゴホッ
教える！…部屋、教えるよ』
『教えるって！
もう水止めようジョンイナ』
「……」
慌てた様子のジュンミョニヒョンが俺の手からシャワーを取り上げる
『はぁ…ゴホッ
何なんだよこいつ、頭おかしいんじゃねぇの？』
「女を無理やり部屋に連れ込むようなやつに言われたくない」
『……』
『ほら、刺激し合ってないで早く教えなさい。どこの部屋なの？』
『…この隣だよ』
『え？』
『隣？』
「っ、」
バスルームを出て
隣の部屋の前に立つ
『まさかこんなに近くにいるとは…』
『あいつら鍵は持ってないって。どうする？』
『うーん…事情を話して鍵を借りてたら時間かかるしな』
ダンッ！
『わっ…』
『そうよね。それが手っ取り早いよね』
「クソッ」
全身を使ってドアに体当たりを繰り返す
痛みなんか感じない
Aのことで頭がいっぱいだ
早く
早くこのドアを
『ジョンイナ…』
『私も手伝う』
『ダメだ。ソユンはそこで見てて』
『……』
『一緒にやろう、ジョンイナ。2人の方が良いはずだ』
「ヒョン…」
『行くぞ。せーの！』
ジュンミョニヒョンとタイミングを合わせてドアを蹴破る
『やった！開いた！』
『いててて…』
「A！」
部屋に入って
辺りを見渡すと
「…っ」
「ジョンイン、さん」
ベッドの上で
男がAに馬乗りになっている姿が目に入った
ドレスは乱れ
裾から男の手が入り込み、Aの脚に触れている
「…ッの野郎！！」
『うわっ、』
考える間も無く
俺は男を殴っていた
『いっ、て…
おいおい。良いのか？
大企業の社長さんが人を殴って』
『うるさいわよあんた。黙ってなさい』
「A…」
「うっ…うぅ…」
「ごめん…
ごめんな、A
遅くなってごめん」
震える身体はひどく冷えていて
それだけ恐怖を感じていたのだと、苦しくなった
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そら(プロフ) - とても面白くて一気読みしちゃいました！！また読みにきます！ (2022年4月1日 23時) (
レス) @page28 id: ba25a8467e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - わーいジョイナ^_^ (2020年3月30日 22時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何回も何回も読み返しているので続編の更新本当に嬉しいです。毎日イヤなニュースばかりですが楽しみがまた出来ました。ありがとうございます。 (2020年3月30日 22時) (レス) id: 5075b515c0 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ(プロフ) - 以前から少し拝見させて頂いてましたが、時間が空いてしまったので初めから一気に読み直しました！ 何度読んでもニヤニヤして、胸が痛くなってとても感情移入して読んでいました！楽しかったです、ありがとうございました！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 448e876d4c (このIDを非表示/違反報告)
sumi(プロフ) - はじめまして^^* 始めからがーっと！一気に読みました！泣いた泣いた(；A；)面白かったです！レモンさん感動ありがとうございましたー！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: 8b7afa5c98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年8月17日 12時
