お互い様 ページ19
冷たい手を握り、目が覚めるように願う
しばらくそうしていると
ジョンインさんの指先が
ピクッと動いた
「ん…」
「ジョンインさん、」
「……」
「わかりますか？
私です。Aです」
「…
……A…？」
ああ
ジョンインさんの声だ
ジョンインさんが
私を呼んでいる
ジョンインさんの瞳に
私が映っている
「ここ、…どこ」
「病院です」
「……」
「ジョンインさんは高熱で倒れたんです。覚えてますか？」
「…何となく」
ゆっくりと身体を起こしたジョンインさんは、自分に繋がれた点滴を見つめてぼんやりしている
「具合、どうですか？目眩とか吐き気とか」
「……」
「あっ
お水。お水飲みましょう」
椅子から立ち上がろうとした瞬間
それを制するように
ジョンインさんに腕を掴まれた
「……」
「ジョンインさん？」
「…ごめん。反射的に、」
「……」
「あ、
A
涙が」
ああ、ダメ
もう私の涙腺は壊れてしまったみたい
目の前に大好きな人がいる
それだけで、こんなにも幸せで
溢れる涙を止められないなんて
「…ごめんな、A
俺がしっかりしなきゃいけないのに。
熱出して、倒れて…本当に情けない」
ジョンインさんの言葉を聞いて
"そんなことない"と首を振る
「会いたかった」
「っ、」
「会いたかったよ、A」
「…
…私も
会いたかったです
ジョンインさん」
どちらともなく抱き合えば
心がじわじわと温まっていくのがわかった
「…ごめん」
「え？」
「まだ、お義父さんに許してもらってないのに」
「…
会いに来たのは私ですから。悪いのは私です」
「ううん、俺も会いたくて死にそうだったから」
ぎゅっと強く抱きしめられ
涙が溢れ続ける
「なんか痩せたな」
「あ、」
「ちゃんとメシ食ってる？」
「……」
「食べないとダメだろ」
「…でも、ジョンインさんも食べてないですよね。セフンさんに聞きました」
「え？
あぁ、そっか。
俺がここにいること教えたのもあいつだもんな」
そう言って苦笑いをする
「まさか、俺があいつを頼る日が来るとは」
「どうしてセフンさんのところに…？」
「考えてみたらさ
母さんが把握してない俺の交友関係なんて無いんだよ」
確かに、ジュンミョンさんやチャニョルさんのところではすぐに見つかってしまうだろう
「セフンは…友達ではないかもしれないけど
唯一、俺が個人的に知り合った奴だから」
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そら(プロフ) - とても面白くて一気読みしちゃいました！！また読みにきます！ (2022年4月1日 23時) (
レス) @page28 id: ba25a8467e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - わーいジョイナ^_^ (2020年3月30日 22時) (レス) id: 1dd6c0734d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 何回も何回も読み返しているので続編の更新本当に嬉しいです。毎日イヤなニュースばかりですが楽しみがまた出来ました。ありがとうございます。 (2020年3月30日 22時) (レス) id: 5075b515c0 (このIDを非表示/違反報告)
こゆ(プロフ) - 以前から少し拝見させて頂いてましたが、時間が空いてしまったので初めから一気に読み直しました！ 何度読んでもニヤニヤして、胸が痛くなってとても感情移入して読んでいました！楽しかったです、ありがとうございました！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 448e876d4c (このIDを非表示/違反報告)
sumi(プロフ) - はじめまして^^* 始めからがーっと！一気に読みました！泣いた泣いた(；A；)面白かったです！レモンさん感動ありがとうございましたー！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: 8b7afa5c98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年8月17日 12時
