自分の目で ページ21
階段を下りてきたジョンインさんが
一歩
また一歩と
こちらへ近づいて来る
『ジョンイナ
あなたこの子に騙されてるわよ』
「……」
『純粋で優しい子のように見えるかもしれないけど、それは全部演技なの』
「そうは思えませんけどね」
『女ってそういうものよ。自分に都合の良いように体裁を取り繕う。
この子も所詮ジョンインやこの家の財産狙いで、それを隠すために良い子のフリをしてる』
「へぇ。そうですか
じゃあ
母さんも今、都合の良いように体裁を取り繕ったということですね」
『え？
何を言って…』
ジョンインさんは鋭い目つきで奥様を見据えていた
「“大事な息子”？
…ふざけないでください」
『ジョンイナ、私は』
「こんなときだけ母親面するはなんて卑怯ですよ。本当はその人を追い出したいだけでしょう」
『違うわ。そんなわけないじゃない。私はジョンインのことを誰よりも大事に思ってる
母親だもの、当然でしょ？』
「当然…ですか。
俺はそうは思いませんよ。今までもずっと、そのあって当然のものを得たことがありませんから」
ジョンインさんが得られなかったもの
それは 母親からの愛情
無条件で与えられるはずのものが自分には無くて
どれだけ寂しい思いをしたのだろう
「俺はこの家で過ごして、当たり前のものはないんだと学びました。
だからこそ」
「えっ…」
ジョンインさんが私の手を引き
隣に立たせる
「俺はこの人を大切にしたい。
この人が俺の傍に居ることを当たり前だなんて思っちゃいけない…そう思うんです」
「……」
今のは幻聴？
私が作り出した夢？
ジョンインさんが私のことを大切にしたい、だなんて……
「この人のこの姿が演技かどうかは俺が判断します。だから構わないでください」
『ジョンイナ』
「本当に大事な息子なんだったら俺を信じられるはずでしょう。違いますか？」
『……
…わかったわ』
それ以上何も言えなくなった奥様は、リビングのソファに腰を下ろす
「あ、それと
今日の夕食はこの人も一緒に食べますから」
「！」
『え？』
「俺がそうしたいんだから良いですよね」
『どうしてそんなこと…』
「どうして？自分の妻と別々に食事をする方が変だと思いますけど」
『……』
「俺は俺の好きなようにするので母さんもそうしてください」
「ジョンインさん、」
「良いから行こう」
強く強く握られた手は
離されることがなかった
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レモン(プロフ) - みみももさん» コメントありがとうございます！じれったいですよね〜 もうしばらく不器用な2人の生活をお楽しみください(笑) (2016年10月28日 10時) (
レス) id: 5dccc102a4 (このIDを非表示/違反報告)
みみもも(プロフ) - いつも楽しみに読ませてもらってます！ジョンインの気持ちも知りたいですね(><) (2016年10月26日 20時) (レス) id: 4279d10aea (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - さえさん» コメントありがとうございます！いつも読んでくださりありがとうございます(*^^*)ジョンイン社長、少しずつ変わってきてますね？この先どうなるか…お楽しみに！(笑) 更新頑張ります！ (2016年10月26日 9時) (レス) id: 5dccc102a4 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - 和子さん» コメントありがとうございます！ドキドキしていただけて嬉しいです(o^^o)続きも頑張りますね！ (2016年10月26日 9時) (レス) id: 5dccc102a4 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - お久しぶりのコメントです！笑いつも楽しく読ませて頂いてます！！遂にジョンインも、、？ととてもドキドキしながら読んでます(^^)更新楽しみに待ってますー！！ (2016年10月25日 19時) (レス) id: 74d5d29218 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2016年7月14日 0時
