わたし、メリーさん。いま、あなたの息子を見つけたところなの……。 ページ8
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つけられていた事は、確かに気づかれていないと思っていた。……しかし。
どうやらその判断は、間違っていたようだ。
目の前には、金髪の少女。見た目は六歳ぐらいで、しかしどこか大人びた雰囲気を持っている。その小さな手にはいわゆる「ガラケー」が握られていて、相手の声は聞こえなかったが、電話口の向こうにいる誰かと喋っているようだった。
少女の唇が、ゆっくりと開かれた。
「わたし、メリーさん。いま……。」
感情のこもっていない、無機質な声。幼い見た目からは想像もつかないようなその硬い声は、僕ら三人を震え上がらせた。
「あなたの息子を見つけたところなの……。」
「はっ！？」
思わず大声が出る。自分で思ったよりも大きな声だったらしく、隣にいたあっきーとカズが一瞬体を震わせた。
そのままその女の子は電話口の向こうの相手と少し言葉を交わし、こちらにそのガラケーを差し出して来た。
「電話が繋がってるの。……黒瀬
確かに、父の名前は黒瀬 京太郎だ。しかし、何故この子は、その事を知っているのだろう。
躊躇いつつもその手からガラケーを受け取る。その子の手はとても冷たくて、温度を感じなかった。手の震えをどうにか抑え、ガラケーを耳に当てた。
「……もしもし？」
紛れも無い、父親の声がした。
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「いやもう本当に、息子がすみませんねぇ！何か迷惑を掛けていませんか？」
「大丈夫なの……。気にしなくて良いの……。」
……これは、どういう状況なのだろう。
目の前には、金髪碧眼の幼女と、その幼女と仲良さそうに話す父親、そして隣には、僕と同じく状況が全く読めていない幼馴染二人。
何故かあの後、幼女について来て欲しいとだけ言われ、抵抗したら怖い目に合わされそうな気がしてしまったので、大人しく着いて来たんだけど……。
あっきーの言っていた通り父さんは女の子に対して敬語で喋ってるし、まず状況が読めないし……。
そんな事を考えていると、女の子は父さんとの会話が終わったようでこちらを振り向いた。巻き毛の金髪がふわりと舞い、深い青色の瞳と視線が絡まる。
……さっきまでは恐怖心であまり意識して無かったけど、すごく綺麗な子だ。まるで、フランス人形みたいな。
わたし、メリーさん。いま、三色トリオと接触しているの……。→←わたし、メリーさん。いま、ストーカーされているの……。
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AYA - 初めまして。私も怖い都市伝説の中ではメリーさんが一番好きです。このメリーさん、優しくてほっこりしてきゅんしますね。話もとても面白いです。無理がない範囲で更新頑張って下さい。応援してます。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d783a40920 (このIDを非表示/違反報告)
麦カケ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。メリーさんは怖いイメージですがこちらの作品のメリーさんは優しくてほっこりしました。お話とても面白いです！作者様のペース、無理がない範囲で更新等頑張ってください！ (2021年2月2日 22時) (レス) id: ea0439ca7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍沢 | 作成日時：2020年12月30日 18時
