【ヒロアカ】灼爛殲鬼の器 (ページ4)

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三鬼ページ4

琴里の体を洗い終え、湯船に浸かる。
すると湯船に入った琴里は両手で湯船のお湯を掬ってみていた。

冬美
「どうしたの？」

琴里
「…これ、消毒液？温かい消毒液…初めて」

冬美
「え？…お風呂、入ったことないの？」

琴里
「これが…お風呂」

話し方からしてお風呂を知らなかったらしく、その事実をしって目を見開く冬美。
しかし冬美は、琴里の体を洗っている時から何となく察しがついていた。

冬美
「…体の傷はどうしたの？」

琴里
「研究員の人達に…」

琴里の口はそこで止まった。よく見ると琴里の体は震えていた。
冬美はそんな琴里を優しく抱きしめた。
琴里は急なことに驚いた表情をしていた。

冬美
「頑張ったね…これからはお姉ちゃん達が一緒だよ。今まで出来なかったこと…いっぱいしようね」

琴里
「おねえ…ちゃん？」

冬美
「そうだよ」

［お姉ちゃん］という響きが気に入ったのか琴里は嬉しそうな表情をしていた。

＊

お風呂から上がり琴里は日用品が揃うまでは冬美の服を借りることになった。

冬美
「ちょっとブカブカかもしれないけど…明日まで我慢してね？明日お洋服買いに行こうね」

琴里
「お洋服…」

琴里は冬美の後について行く。ブカブカな袖をピラピラさせてみたりする。
本当に色んなこと知らないんだなぁと思いながらも仕草が可愛いなと笑みを浮かべている冬美だった。

冬美
「父さん、琴里ちゃんお風呂から上がったよ」

エンデヴァー
「おう。2人ともそこに座れ」

エンデヴァーに言われ、用意された座布団に座る冬美。琴里は冬美の真似をして座る。

エンデヴァー
「琴里、紹介しよう。こいつは三男の焦凍だ。先程話したように琴里とは同い年だ」

エンデヴァーの隣に座る琴里と同じくらいの背丈の男の子。
赤と白の半分頭にオッドアイ。
ただ、どこか悲しそうな目をしているのが琴里には気になっていた

エンデヴァー
「焦凍、琴里に家の事について色々説明してやれ」

焦凍
「…鍛錬は？」

エンデヴァー
「琴里優先だ。しばらくしたらまた始めるが半分は琴里に使うことだ、いいな？」

焦凍
「え……はい….」

焦凍は驚いたような顔をしていたが、少し間を空けて返事をした。
その時の焦凍の顔は少し安心していた。

エンデヴァー
「では焦凍、あとは頼んだぞ」

エンデヴァーはそう言って部屋を後にした。冬美も心配そうな顔をしていたが琴里に「後でね」と手を振って部屋を後にした