two of a kind *Mako's story*

二人の未来 ページ43

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手紙を送ったあと彼女から連絡が来たのは、俺がドイツに戻ってから半月後のことだった。









「長谷部さん」




待ち合わせたのは、植物園の中に置いてあるベンチ。


久しぶりに聞いた声に、ゆっくり振り向いたら

麻友子さんが小さく会釈して寄ってきた。






「お待たせしてすみません」

「いえ」





少しだけ間をあけて座った彼女。

俺は、敢えて真っ直ぐ前を向いたまま、ギュっと拳を握りしめた。




「手紙…読みました」

「はい」

「…一つ聞いてもいいですか？」

「え？」

「"親しげな男性"って書いてあったんですけど…、もしかして私がサッカーを一緒に観に行った人のことですか？」




彼女の言葉に頷きながら、俺は口を開く。




「その前にも…店に行った時に見かけて…。とても親しそうで…あの時声が掛けられなかったんです」




ずっと気になってた仕方なかった、あの彼が。




「彼、私の幼馴染なんです」

「……幼馴染？」

「はい。子どもの頃は兄妹みたいに一緒にいて」

「………でも」

「それだけです。本当に」

「麻友子さんの家に泊まったんですか？」

「まさか。ちゃんとホテルに泊まってもらいました」




彼女の返事に、ずっとモヤモヤしてた部分が少しずつ無くなっていくのが分かって、思わず はぁー……って、豪快に息を吐きたかった。





「…麻友子さん」

「はい」

「俺の気持ちは、手紙に書いたとおりです」

「…」

「"友達"からでいい。"知人"っていう今の関係よりも前に進みたい。俺のことをもっと知ってほしいし、あなたのことをもっと知りたい」




ゆっくり彼女のほうを向いて、俺は彼女の目を真っ直ぐに見る。








「あなたのことが、好きです」









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