two of a kind *Mako's story*

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麻友子さんの作ってくれたケーキを食べた日から、俺は彼女のことを考えることが多くなった。

だけど、その気持ちが何かハッキリとしなくて。

彼女にドキっとしたり気になったりするけど、それは恋愛感情なのか。

あやふやな思いが浮かんでは消えて、また浮かぶ。









2015年3月。


久しぶりにウッチーから連絡があって、俺はウッチーとご飯を食べに行くことになった。









「あのさ、長谷部さん。これ」



店の個室に通されて席につくと、そう言ってウッチーが俺に差し出したのは、名前が書かれた封筒。

一目で、それが結婚式の招待状だって分かった。



「長谷部さんに、乾杯の挨拶お願いしたいんだけど」

「………………はぁ！？」



受け取った招待状を見ながら、ウッチーの言葉に驚いて顔を上げる。



「いや、ウッチー。俺なんかより、もっといるだろ？」

「長谷部さんがいい」

「いやいやいや。サッカー関係者とか、ウッチーの先輩とかさぁ」

「長谷部さんだって、サッカー関係者で俺の先輩っしょ」



そうだけど。そうだけどさ！



「俺が乾杯の挨拶なんて、申し訳ないって。烏滸がましいよ」



そう言うと、表情変えずに真っ直ぐ俺を見るウッチーと目が合った。



「俺、乾杯の挨拶をお願いするなら、真っ先に長谷部さんだって思った。長谷部さんじゃねーとヤダ」

「"ヤダ"って…子供かよ」

「どうしても長谷部さんがいい。っていうか、長谷部さんしかいない」

「………」

「お願いします」









＿＿びっくり…した。




ウッチーが俺に頭を下げるなんて。



だけど……なんだか嬉しいと思った。



俺にそこまで言ってくれるんだなって。





「……わかったよ」

「…え？」

「乾杯の挨拶、引き受ける」

「マジで！？」





そんな嬉しそうな顔してウッチーが笑うから、引き受けるしかないだろ？






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