愛しのあの子はドーナツ屋。 (ページ7)

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可愛い弟くん。ページ7

次の日カタクリくんは落ち着かない様子でソワソワとしながら丘で待っていた。その手には街で有名な洋菓子屋さんの紙袋があって少し笑ってしまった。
同じくらいの年なのにしっかりしてるなぁ、で、その後ろいるちみっこは知り合いかな。前髪を下ろしてカタクリくんに手を振った。

『お待たせ、今日はお客さん多くて時間かかっちゃった。ごめんね。』

カ「あぁ、それは構わないがなんでまた髪を下ろしてるんだA。」

『だってカタクリくんの後ろに可愛い子がいるから。驚かせちゃ悪いでしょ？』

カ「可愛い子？…！？クラッカー！？なんでここに！」

ク「だって兄ちゃんが美味しそうなの持って歩いてたから！」

食べたい食べたーいと騒ぐ小さな紫髪の男の子。
うん、元気があって可愛らしい。
オロオロとしながら後でおやつをやるから帰れとか、嫌だとかのやり取りをする2人。

『小さい子を1人で返すのは危ないし、一緒に連れてきたら？』

カ「いや、迷惑をかけちまうだろ。」

『別に一人増えても変わらないよ、えっとクラッカーくんはドーナツ好き？』

ク「？誰だお前、ドーナツよりビスケットの方が好きだ！」

カ「こらクラッカー！」

『ふふ、私はA。ビスケット作れるか分からないけどお母さんに相談してみるよ。』

おいで？と手を出せばあまり疑うことも無く手を握られた、こんなに警戒心のない子を一人で帰すのはやっぱり危ないな。
邪気のない可愛いクラッカーくんに頬が緩むが、なぜか少しムッとしたカタクリくんにもう片手を握られた。
なんだろう、手を繋ぎたいお年頃なんだろうか？
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店に着いてCLOSEと言う札が掛かった扉を開ける。カランコロンとベルがなり厨房からお母さんが顔を出した。

「おかえりA、その子が…あら？お客さんがもう一人増えたの？」

『うん、カタクリくんとクラッカーくん。』

カ「カタクリだ、今日は招いてもらって感謝する。」

ク「？おれは招かれてねぇけどきてやった！」

カ「…クラッカーお行儀良くしないとおやつは無いぞ。」

ク「！おじゃまします！！」

「あらあら、可愛いお客さんたちね。
奥へいらっしゃい。お茶しましょう。」

楽しそうに笑うお母さんに続いて、私達はその後をおった。