愛しのあの子はドーナツ屋。 (ページ49)

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住み込む話。ページ49

その後入れ違うようにカタクリ君とピノパル姉弟が食事を持って入ってきた。
もうお昼の時間か、何もしない時間になれてきてしまって時間感覚が少し鈍ってる。

カ「数時間ぶりだなA、変わりないか？」

『数時間で容態変わるほどの怪我でもないし、ほとんど完治してるからね。
あと毎日確認する必要ある…？』

カ「可愛い恋人の顔は出来るだけ見に来たいだろう。」

ピ「カタクリ様ーあまりベタベタされると女はウンザリしますー！」

パ「ピ、ピノ！ダメだよ二人の邪魔しちゃ、午後の特訓が激しくなっちゃう…。」

着てそうそうサイドテーブルに食事を置いて、私の頭にキスを送るカタクリ君にピノちゃんは引いてる。
4日間で3人はなかなか親しい仲になったらしくて微笑ましい。

ピ「Aさんあの時よりずっと顔色が良くなって安心した！もう傷はいいんだよね？」

『うん、もう重たい物も持てるし歩いても痛くないよ。』

パ「良かった！じゃあもうすぐお店が開けるんですね！」

カ「もう少しゆっくりしていけばどうだ、Aの家にわざわざ行くのは時間がかかる。」

『そろそろ店開けないと女王様に殺されちゃうよ。
それに2人を養っていけるだけお店を繁盛させなきゃだし。』

カ「養う？…あぁそういう事か。こいつらを従業員にするのか。」

『未来予知でもできるの？カタクリ君。』

最近出来るようになったとドヤ顔をかましてくるので、頭を撫でておきました。
えらいえらい、どんどん強くなっていって頼もしい限りだけど無茶だけはしないで欲しい。

お昼ご飯を食べながら今後の店での役割を2人におしえ、後で接客対応についての基本と紅茶の淹れ方の基本を書いた本を渡すことにした。

隣で大人しく私の世話を焼きながら思案している様子のカタクリ君が、スっと顔を上げる。

カ「ならピノとパルの部屋も増設する必要があるな。ふふ、結婚もしてないのに子育てをする気分だ。」

『何一緒に住み着こうとしてるの？後、歳そんなに変わりないでしょ。せめてお兄ちゃん。』

ピ「お兄ちゃんがAさんにベタ惚れとか家庭環境複雑すぎでしょ、やだ。」

カ「惚れ込んでて何が悪い。」

パ「反論するとこ多分そこじゃないですカタクリ様。」

『兎に角！増設については任せるけど、カタクリ君はちゃんと城で生活してね！？』

そんな沈んだ色を出されても折れません。
まったく、好きだって言ったの、早まっただろうか。
なんにしても、店の開店はもうすぐだ。