愛しのあの子はドーナツ屋。 (ページ47)

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二人の話。ページ47

少しの間3人とお話をしたり絵本を読んだりして過ごしていたけど、コンコンと医務室の扉が鳴る。

ペ「失礼するよ。ん？ふふ、随分可愛らしいお花ちゃんたちがいるな。ペロリン♪」

『ふふ、そうでしょう？本物のお花も霞むほど素敵なの。』

ブ「もう！ペロスお兄ちゃんもAお姉ちゃんも褒めすぎよ！恥ずかしいじゃない！」

ガ「かわいーって！」ポ「きゃー！てれるー！」

キャッキャと喜ぶ3人の頭を交互に撫でてから、ペロス君はお店の事で私に用があるらしく3人に席を外すように言った。

4日間も放ったらかしているし、そろそろ準備をしていいって話かな。
私の体ももう随分良くなって、日常生活くらいなら問題ないのだ。

ペ「随分うちの子たちに好かれたな。くくく、みんなAの優しさが心地いいのだろう。」

『まさか。物珍しいだけだと思うよ。』

ペ「なに謙遜する必要は無いだろう、事実お前はうちの兄妹だけじゃなくママや兵にだって好かれてるじゃないか。」

『そんなに褒められるとあとから何かありそうで怖いなぁ。』

ペ「ただの感想さ、私達が忙しい時にでもまた弟や妹の世話を頼みたくてね、ペロリン♪」

『そのくらいなら全然構わないけど、みんな大人しくていい子だし。』

ペ「Aの前だけさ。
さて、本題に入るがお前が助けた二人の姉弟を覚えてるか？」

備え付けの丸椅子に腰掛けながら、ペロス君は長い足を組んで私に笑いかける。
ピノちゃんとパル君の事だろう。彼女達はこの国出身だったけど、あの事件の日に両親を亡くしてしまったのだとか。

『えぇ、あの二人は今どうしる？あの日以来会えていなくて。』

ペ「一応カタクリ預りで訓練中だ。
あぁ、心配するなただの護身術さ。身一つで放り出しちゃまたAが無茶をしそうだからな。」

『そうだね、あの子達の為なら私絶対また身を投げ出すわ。』

接した時間は短くとも、私からすればもうあの子達は放っておけない存在だから。