愛しのあの子はドーナツ屋。 (ページ39)

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恐怖。ページ39

私が捕まってどのくらい経ったのか、男たちの汚い笑い声が響く中檻の中の子供達は啜り泣く子もいれば泣き叫ぶ子もいる。

残念ながら私の目が晒されている今は、近寄るとものすごい勢いで逃げられるんだよね。

『私の目が普通なら…と嘆いても仕方ない。
カタクリ君まだかなぁ、港としか言わなかったもんなぁ。』

「起きてるかぁ？クソガキどもぉ！
っはは、きょーいくのお時間だ！！今日も歪む顔を見せてくれよ？」

突然開いた扉から、ベロベロに酔った男たちが数人入ってくると手に持った鞭で檻を叩く。
待って、あれ普通に乗馬用の鞭だよね。人に向けるものじゃないよね？

大きな音で飛び起きた子供達は皆脅えたように檻の端に逃げ出した、そのからだを見ると複数の打ち傷と切り傷。

「なんだぁ？逃げるなよ、お前たちがちゃんと従順になるように躾てやるんだからなぁ！！」

「いやだっ、いやぁ！！」

「痛い事しないで…！もう泣かないから！煩くしないからァ！」

「お前らに拒否権なんてねぇんだよ！！」

『…っこんな小さな子達にしか手をあげられない
弱虫なんですね貴方。』

「あぁ？…女、今なんて言った。」

『貴方は自分より弱い立場の者にしか威張れない臆病者です！子供達にその鞭は振るわせませんよ！』

震えそうな声を必死に押し殺して、男達の関心がこちらに向くように精一杯声を張る。
自尊心の高い彼らなら怯える子供よりもきっと、こっちに苛立つはずだから。

「いいぜ、ならお前からだ…その生意気な態度叩きおってやる。出せ！！」

パ「Aさん…！ダメ、逃げて！」

ピ「パル！！そっちに行っちゃダメ！！」

パ「この人達怒ると手加減なんてしないんだよ、殺されちゃう！」

『大丈夫…危ないからパル君も向こうにいて。
心配しないで、絶対君たちに痛い思いはさせないから。』

駆け寄ってくるパル君に笑いかけたが、その頬も男に叩かれた。
初めて加減もなく叩かれた頬は痛いと言うよりも熱く燃えるような刺激で、早くも涙が出そうになった。