愛しのあの子はドーナツ屋。 (ページ32)

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住居スペース。ページ32

まぁすごく嫌な顔をしながらもペロスペロー様は可愛らしくもオシャレな飴細工で、素敵な看板を作って下さった。

…どうやって作ったのかと思ったら2人とも能力者なんだなぁ、おかしいな悪魔の実は希少なんじゃなかったっけ？そんなポンポン能力者っていていいの？

カ「コレで店は問題ないが、あとは従業員か。」

『そうだね、流石に1人でこの大きさのお店は回せないなぁ。』

ク「だが兄貴が入り浸る予定なら、下手に募集かけると面倒だぞ。」

ペ「カタクリ目当ての女性が押し寄せてもAが困るだろうしなぁ、ペロリン♪」

『…面倒ですね、かなり。適度に来てね、毎日はダメだよカタクリ君。』

カ「Aが俺と結婚すると言うなら善処する。」

『だからね、私みたいな一般人には恐れ多いし…
好きとか、まだよくわかんないから。
うぅ、そんな顔して見られてもこればかりは押し負けないよ…！』

断りにくい条件突きつけて来る上、少し悲しげにするのやめてほしい…折れそうになる。
カタクリ君の完璧像が崩れて来てるんだけど良いんだろうか。
…まぁ、多分言っても聞きはしないだろうけど。

ペ「口説き落とすのは時間がかかりそうだなカタクリ。従業員の事はママに相談でもしておくさ、次は住居スペースを案内しようか。」

『え、住居スペースまで作ってくださったんですか！？』

ペ「そうじゃなきゃAは、カタクリの部屋に住み込むことになるぞ。」

カ「俺はそれでも構わないんだが。」

『ダメ、ダメだよ絶対…！』

ク「兄貴達はAの反応見て面白がってんだから
いちいち反応してたらキリねぇぞ。」

そう言ってクラッカー君はウンザリした顔をしながら私の手を取って、さっさと店の中へ入っていく。
なんだ、私面白がられてただけなんだ…！

店の奥の扉を開けると、リビングとキッチン。
見慣れた配置に首を傾げた。
実家の間取りとよく似ている、でもこれを作ったのはクラッカー君とペロスペロー様だし…。

ク「実家と同じ作りの方が落ち着くだろ。」

『！…まさか、あんなに小さい頃に1、2回きただけなのに覚えてるの？』

ク「俺は記憶力もいいし、凝り性なんだよ。」

『ふふ、職人気質ってやつかな。ありがとう、慣れるまで大変だろうと思ってたけど直ぐに馴染めそうだよ。』

得意げに鼻を鳴らすクラッカー君は、昔と変わらず可愛らしかった。