愛しのあの子はドーナツ屋。 (ページ18)

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褒め殺される。ページ18

目をあちこちに逸らしながら頑張って伝えてみたけど、カタクリ君はキョトンとした顔のまま手を離さない。

え、どうしよう…父さんの方に目をやっても生暖かい目線を寄越してから、何を思ったのか部屋から出ていった。なんで？

カ「…Aは俺がお前を受け皿として好きという気持ちを、誤解してるとずっと思ってたのか？」

『う、うん…そうだけど？』

カ「そうか。そうだな、俺の伝え方も悪かった。」

はぁ、なんてため息をついて目頭を押している
カタクリ君は歳に似合わない動作も様になるなぁ。

カ「誤解させたことは悪かった。
だが勘違いしてくれるな、俺はA自身を好いている。
たとえ最初はお前の容姿に一目惚れしたとしても、あの数週間で確実にお前の優しさを知り好きになった。」

『お、ぉふ…あの、そうなの…？』

カ「あぁ、俺の話を楽しそうに聞く横顔も。俺の気を感じとって些細な変化にも気を使ってくる気遣い屋な所も、挙げだせばキリがないが好きだ。」

『え、えっとえと、ありがとう…？』

カ「フッ、その照れ屋な所も愛らしくて好きだ。」

『……待って！！わかった！！好かれてるのはわかった！！だけどそんなに優しく微笑まれたら私爆発しちゃう！！恥ずかしくて！！』

愛しげに見つめられ、カタクリ君から見た事ないピンク色の気が発されて頬なんか撫でられて爆発しない子がいるんだろうか。
12年で色気が増し増しじゃないか君、おかしいよ！

カ「俺の本気が伝わったならいい、それで式はいつがいい？」

『ま、ままって結婚するとは言ってない…！』

カ「なんだ、まだ不安なことがあるのか？」

『私は、まだカタクリ君のこと好きとか、そうじゃないとか分かんないから…！』

「それなら、カタクリをよく知るために1度こいつの国に行ってみたらどうだ。
この店もそろそろ二号店を出そうと思ってたしなぁ」

いつの間にか戻っていた父さんはニヤニヤとしながら、とんでもない提案をしてくる。
え？なに？2号店？私がそこの店主にって？バカ言わないでよ。