陽だまりの様なイカ様 (ページ13)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:1,071 hit

2 ページ13

甘い魚なんて食べたく無いので陸地で跳ねる魚達を海へ返して、最後の特大を投げ込んだ辺りで後ろで腕を組むカタクリ様が話しかけてきた。

カ「甘くないものが食べたいのか」

『えぇまぁ、甘党一家の方に言っても理解されそうにないのですがそんな所です』

カ「いちいち言葉にトゲを出すな。
何軒かそういう店を知っている、興味があるなら着いてこい」

『……着いてこいと言われましても』

言いたいことだけ言ってスタスタ歩き始めるけれども
私と貴方の歩幅考えてないんですかね？
どう考えてもあなたの一歩に追いつくには走るしかないのですが？

仕方が無いから巨大化でなるべく身長を近づけて後を追うことにした、不思議な事に大きくなっても服は弾けないらしい。
ご都合主義の方は大歓喜である。

元々注目度の高いカタクリ様の後ろに同等の大きさの女が歩いているという事で、とっても見られながらも何事もなくお店に到着した。

カ「好きなものを頼め」

『は、カタクリ様と食事を共にしろと？』

カ「俺は食わないが、案内した手前置いていく訳にも行かないだろう」

『そういうものなんですかね、お気遣いどうも。
ならカタクリ様のオススメで』

カ「…後から文句を言うなよ」

この人の中で私はどんな印象なんだろうと問いたくなるほどじっとりとした目線を寄越された。
確かに今更どんな態度をとるべきか分からなくてツンケンしてる自覚はあるけれど。

私が食べれそうなものを幾つか見繕ってくれたらしく、店員さんに注文を済ませてくれたまでは良かった。
けど、その後は何を話すでもなく料理が到着するまでひたすら気まずい沈黙だった。

いや元々寡黙な方になんの話しを降ればいいって言うんです！？海賊って世間話するの！？