それから #4 ページ32
「お前が言っていた明かない夜というものを身をもって感じた」
「寂しかったですか？」
「言うか馬鹿」
「私は寂しかったですよ……でも、夜は明けるものだと貴方に教えてもらいましたから」
「髪」
「え…？」
「髪伸びたな」
「あ、えぇ…もう、男を演じる必要なんてありませんから」
赤と青が混じった紫の瞳が私を写し捉える
相変わらず、変わらない
欲しい時そうやって私をじっと見つめる
「貴方も大概分かりやすいですね」
「あ？」
その瞳から逃げるように庭の方に目線を移せば
凛々しく椿の花が咲いている
「私は鹿鳴館に咲いた椿のことを忘れた事はありませんよ」
「俺はお前と踊った事を忘れたことはねぇ」
「…なら、私に聞いて下さい、あの日と同じ事が質問をして下さい」
呆れた表情をしては、折角整えた髪をぐちゃぐちゃにして
「お前は俺様のどこが好きなんだ？」
「それはですね、惹かれたんです」
そう答えれば腑抜けた顔をされる
「お前なぁ〜…ふざけんなよ…あれから100年以上経ってて答えがそれかよ」
「貴方が私を誘わなければ、私は貴方に恋をする事はなかった、そういうことなんです。好きになる理由なんてないんです。貴方だって同じでしょ？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のほこ(プロフ) - ゆーみやンさん» ゆーみやンさん、コメントありがとうございます！！大好きと言ってもらえて幸せな気持ちでいっぱいになりました…！！ (2023年2月16日 0時) (
レス) id: 06c7e59c98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます*･゜ﾟ･*:.｡..｡.:*･'(*ﾟ▽ﾟ*)'･*:.｡. .｡.:*･゜ﾟ･*すごい大好きな作品でした♡ (2023年2月15日 16時) (レス) @page39 id: 23b68e9629 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花鏡はパスワードを忘れた | 作成日時：2020年9月18日 22時
