#13 永遠の価値と意味 ページ13
『お前はこの国が変わったのを恨んでいるか』
とオランダさんが聞く
答えなんて明白だったのに
すこし、その答えが淀んだ
変わらなければいけなかったのだ
変わらなければ、この国はきっとどこかの国の植民地
だったら強くなればいい……
強くならなくてはいけないのに
私は強くなれなかった
強くなりたかったから名前を差し出した
名前と引き換えに得た物は
悠久の時間だけだった
本来欲しかったものとは程遠いもの
国と同じような存在
いや、私には何も無い
価値も意味もない
そう気づいた瞬間
明けない夜が来た
首を切っても
首を吊っても
腹を切っても
脈を切っても
死なない
死なない
怖い
自分の身体がおぞましい
脈を打つこの感覚を忘れたくって
幕府や帝の元で働いた
戦乱の世が明けたと同時に私は政治から離れた
歩いていれば何かしら見つかるのだと思った
ひたすら歩いて神社に出向き寺へ行き山を登り
それでも、何も見つからなかった
名前を戻す方法すら見つからなかった
忘れるように歩いていれば文明開化の鐘が鳴った
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のほこ(プロフ) - ゆーみやンさん» ゆーみやンさん、コメントありがとうございます!!大好きと言ってもらえて幸せな気持ちでいっぱいになりました…!! (2023年2月16日 0時) (レス) id: 06c7e59c98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみやン(プロフ) - 完結おめでとうございます*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*すごい大好きな作品でした♡ (2023年2月15日 16時) (レス) @page39 id: 23b68e9629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花鏡はパスワードを忘れた | 作成日時:2020年9月18日 22時