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五話 言葉の呪縛、解き放つ ページ6

七が泣いた
私を思って?...そう考えたいけれどそうじゃない
100%違う
そう断言できてしまう

あぁ...悔しいなぁ
私と七を引き離すものがなければいいのに

この電車の中で一生二人で生きていければいいのに

そんな七に依存しているような
独占したいという気持ちが頭をぐるぐる回って消えない

七の車両を移動するこの間もそんなことを考えていた

私は七のことが好きなの?

...好きになっちゃダメなんだ
私が七の近くにいるから皆近寄らないんじゃないの?
私が七に凄い迷惑をかけているんじゃないの?

もう色々わかんないや

「願...どうした?なんか悩み事か?」

前に進めていた足を止め私のほうを振り向き心配そうに話しかけてくれる七
誰にも触らせないように、誰にも見られないように綺麗な宝箱にしまっておきたい
私だけの七が欲しい

馬鹿だなぁ私は
そんなの絶対できない
しちゃいけない

そんなことわかっているのに...

「全然大丈夫!
私頭使うの苦手だから悩み事なんかないよ!」

それでも七は心配そうな顔をする
納得していないような顔をしながらまた足を前へ進める

「なんだ...その
お前のことは俺が一番わかってるつもりだから言うけど
お前がいて俺が迷惑したことないから

むしろ誰よりも大事だから心配すんな」

やめてよ
期待しちゃうじゃん

叶わないなんてわかってるから
この思いを否定してきたのに

もう近づかないで
もう期待させないで

そんな思い込みの考えは全部打ち消されて
素直な思いが勝る

認めてしまおう
私は七が、"好き"なんだ

そう認めた瞬間私を縛っていた否定という言葉達が消えた
軽くなった感じがした
でもドキドキは倍になった
前と違うのは心地いいドキドキだと言うこと

いまは前を向いていて表情は見えないけれど七の耳は真っ赤だった

「そんなセリフ言っちゃって!
七クン恥ずかしぃー」

いつもの会話
それがとても嬉しくて、楽しくて、苦しい

「うっせ!!
いちいちつっこむなよ!」

いつもと違うのは

「自覚してたんだ!」

「うるせーっての!」

心臓の動きががほんの少しはやくなったくらいだ

六話 賭けるなら、欠ける運命を→←四話 ないの、不自然なくらいなーんにも



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設定タグ:TRPG , クトゥルフ , きさらぎ駅   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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(プロフ) - 架空夢想像さん» 早く気よ向けっ! (2015年7月12日 11時) (レス) id: 7ae0e795be (このIDを非表示/違反報告)
架空夢想像(プロフ) - 燐さん» 気が向いたら更新しまーすw (2015年7月12日 6時) (レス) id: d18e4db244 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 良い所なのにっ(泣) (2015年7月12日 1時) (レス) id: 7ae0e795be (このIDを非表示/違反報告)
架空夢想像(プロフ) - 嶺華さん» 気にするなっ!www (2015年5月1日 0時) (レス) id: d18e4db244 (このIDを非表示/違反報告)
嶺華 - 赤いミートソース気になるw (2015年4月30日 23時) (レス) id: 7ae0e795be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:架空夢想像 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kakuumusou1/  
作成日時:2015年4月25日 23時

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