大切な人。３

姉妹。 ページ19

Aside

今日は優ちゃんが家に来るからってちょっとだけ早めに自主練を切り上げて家に帰って掃除していた。

最近あまり家にいないから埃が地味に溜まってて…


自分だけならまだいいけど、お姉ちゃんとはいえ日本のトップアイドルが泊まりに来るわけですから。






ガチャ




ん？





優子「うーーっす！」

A「優ちゃん！ねえ、ピンポン鳴ってない！」

優子「あ、ごめんごめん、忘れてた。」

ピンポーン

A「今さらだから！」



優ちゃんがインターホンも鳴らさずに合鍵でいきなり入ってきた。
姉妹ならではでしょ？この掛け合い。笑




優子「今日自主練って言ってなかったっけ？Aを家で待っててあげようって思ってちょっと早く来たんだけど先越されてた。」

A「優ちゃん来るなら家掃除しなくちゃでしょ？」

優子「姉妹なんだから気にしなくていいのに。」



そのままなぜか流れで2人して昼寝(夕方)して、一緒にごはん食べてお風呂に入った。

あっという間に夜も遅くなってベッドの中へ。




優子「ねえ、A。さや姉とはどう？」


どうって……。


前ほどの気まずさとかライバル心とかはなくなった。
けど、話してはいない。


話しかけたくても話せない。
仲直りしたくても話しかけられない。

さや姉が今はそういう雰囲気じゃない。



優子「黙ってるってことはまだうまくいってないんだね。」

A「うん…。もうちょっとかかる。」

優子「そっか…。ゆっくりでいいんだからね。」



本音を言える相手だからかな。

そうやって言ってくれるだけでなんだか安心して自然に言葉が出てきた。

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