大切な人。2

お見通し。 ページ48

優子side

Aの顔が一気に曇ったのを私は見逃さなかった。

優子「A？」

A「…あっ、なに？優ちゃん。」

明るく返しても何かあったのはお見通しだよ。

優子「なんかあったんでしょ？」


才加と佐江ちゃんも心配そうな表情。



そしてAがポツリと言った。

A「初日、ダメだった…。」




そっか。

A「頑張ってたしそれなりに期待もしてた。それでさや姉にも謝ろうって。

でも、だめだった。」



謝るタイミングも逃しちゃったんだね…



A「でもそうだよね、お披露目であんなにできなかった人が選ばれるわけないよね。

だってもうファンの人たち私たちを見てるんだもん、イメージ大切だよね。



ま、気にしないで！」




気にしないわけにはいかないよ、A。


優子「悔しいんでしょ？」

A「そりゃね。でも、逆に頑張れる。

今日初めてさや姉が頑張ってるとこ見たの。


私はまだまだ。


しかもアンダーなら色んなポジションも体験できるから、そこからの景色も見られるでしょ？


悔しいけど、よかったと思ってる。」



私と離れて過ごすうちに強くなったんだね。



今を必死に頑張ればいつか必ずいいことあるから。


頑張れ、A。

爽快。→←さすが。

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