大切な人。2

悶々と。 ページ30

さやかside

お披露目が決まったって言われた。

嬉しかった。


やっとステージに立つことができるんやって。

まだまだ最初の一歩にすぎひんけど。


仲良くなった菜々ちゃんや小笠原茉由ちゃんと手を取って喜んだ。


すると
西島「おーい、大島。」


ん？どうしたんやろ、呼び出しなんて。


様子を見ていると何か説得しているみたいやな…

何話されてるんやろ…


ぽけーっと見ていたら呼ばれた。

茉由「さや姉！ダンス教えて！」

彩「おお、ええよ。」


居残り練習が始まった。

私にとってこの時間は自分のスキルを上げる時間であることに加えて、みんなと仲良くなる大切な時間。


いつもなら楽しくやっている。




でも今日は、西島先生がAに話していた内容が気になって集中できひんかった。


どうしよ、もう辞めろとか言われてたら。



一緒に頑張ろって約束したのに。



明日のレッスンになればそれは分かるんやけど、でも気になる。



やけどAは私と話してくれへんし、すぐ帰ってしまうから話す時間もない。


あーーー、どうしよ。


1人で悶々としながら練習していたら気付けばレッスン場に1人だった。


みんな帰ったんか。


時計を見るともう10時。

やば、早く帰らへんと。

急いで荷物をまとめ、レッスン場を掃除していると西島先生が現れた。


西島「まだおったんか。頑張るな。」

彩「いえ、私なんか頑張ってないですよ。必死なだけです。」

西島「ふっ。山本が頑張ってないなら他に誰が頑張ってるんだよ。笑」


私はパフォーマンススキルを上げたいだけだから頑張ってる自覚はないんだよなー。


西島「送ってく。もう遅いし。」

彩「ありがとうございます。えへ。」


ちゃっかり甘えさせてもらう。

急いで掃除を終わらし、レッスン場を去った。

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