【鬼滅の刃】消させないよ、誰にも【炎炎ノ消防隊】

10話　鬼も生まれ変わるの？ ページ12

「……腕が切れただけ」



前進したけど、そう簡単にやられる生き物じゃないでしょ。
体全体を炎が覆っているのに、炭化すらしてない。

回復力や治癒能力が高いだけあるね。



「……伊之助、油断しないで」

「は、腕が斬れたんだ！ 次は首を斬るま……で……」

「あれ、なんか向こう行っちゃった」



喜んで浮かれている伊之助に声をかけていたら、巨体鬼はそさくさとどこかへ行ってしまった。



「何逃げてんだ、コラァァァァ！！」

「落ち着いて伊之助！まだ近くにいるよ」



鬼を探して森の中を走り回る。
そろそろ帰り道が分からなくなりそう……(初めから知らないけど)。



「くっそぉぉぉ、あの野郎どこ行きやがった！」

「……ん？」

「あ？」



走り回りながら先を見渡しても、鬼の姿は見えなかった。
痺れを切らした伊之助は叫び始めるが、私は一つの木の上から視線を感じ立ち止まる。
そんな私を不思議そうに見た後、私が見ているほうへ視線を向ける伊之助。



「そこかぁぁぁぁぁ！！」

「木登り好きだったの？」



木の枝の上に鬼はしがみついていた。
巨大な体には合わない細い枝の上にいるせいか、今にも落ちそう。
鬼自身、体をブルブルと震わせていた。

怖がりかよ。



「フハハ！ 俺に恐れをなして震えてやがる！」

「いや、上ったけど降りるの怖くなったんでしょ」



なんて怖がっている鬼を二人でからかっていると、ズ、ズルッ…と何かが向ける音がした。
よく見てみれば、鬼の体から何か生き物が誕生しているではないか。

……え、まさかとは思うけど、このタイミング？
さっき炎食らわせすぎて血流おかしくなっちゃった？？



「…脱皮してる、よね」

「…あ、ああ……」









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