【リクエスト 声の出ない堕天使は （宗教松）】 ページ30
ガヤガヤと騒然とし、沢山の観客が集まる。
そんな天使達の真ん中に居るのは、拘束されボロボロなA。
その前には、他の天使とは比べ物にならないほど大きくて美しい羽を持つ、
大天使と言われる天界で一番位の高い者。
甲高いラッパの音が聞こえたかと思えば、Aの首に槍が二本突き出される。
騒然としていたのが嘘のように、静まり返り大天使の声が透き通る。
「こやつ・・・Aは、人間界で両親そして妹を殺害し
それを目撃したであろう何の罪もない人間までもを殺害した。」
実際の事とは正反対な事が、話される。
しかし、それを否定できるような証拠は一つもなく抗う事も許されない。
Aは自らの愚かさや、大切な家族を失った悲しみで口を開くことができない。
ただひたすら零れる涙を見つめる事しか出来なかった。
「よって！！Aには天界からの追放と“声”を奪う！！
命が助かっただけ、ありがたく思え！！」
こう言うと辺りからは、煩いほどの歓声が沸く。
そして大天使は杖をAの喉へ突き出し呪文を唱える。
杖の先端が明るく光ったと思えば、Aが居た場所に穴が開いた。
自然な原理で下へと落ちていく。
そんな姿を見て、罵る者もいれば喜ぶ者もいた。
実際は早いスピードで落下しているが、Aからしたら物凄く遅く感じる。
風圧を全身で感じながら、目をそっと閉じる。
瞼の裏に浮かぶのは、人間界で起きた悲惨な出来事。
あの時の感覚が、音が、全てが明確に思い出せる。
冷静になれば、数々もの疑問が浮かぶ。
“そう言えば何故、俺は天界から追放されたのだろう”
“何故、声を奪われたのだろう”
“何故、俺だけがこんな目に遭っているのだろう”
“あァ・・・憎い。俺ヲこんな目に遭わせた奴等スベテが・・・ニクイ”
そう思えば、Aの羽が真っ黒に染まり始める。
ボロボロだったとはいえ、白から黒に変わるのは普通はありえない。
この現象が起きた天使の事を皆、こう言う。
―堕天使―
力なくドサッという音を立て人間界へ落ちたA。
地面に垂れる羽は、もう天使とは言えない禍々しい羽へと変貌を遂げていた。
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あや猫 - 今日のキス魔はだれっ！？のパスワードを教えてくださいよ〜！ (2017年9月12日 21時) (
レス) id: 52936be092 (このIDを非表示/違反報告)
亜夜 - どういうわけかタブレットが壊れてやっと戻ってこれました、、リクエスト書いていただいてありがとうございます！ (2016年10月28日 22時) (レス) id: 603f87cb2d (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - いんくさん» いえ！こちらこそありがとうございました。 (2016年9月13日 21時) (レス) id: bce8544829 (このIDを非表示/違反報告)
いんく(プロフ) - 誠さん» まさかタイトルまで変更してくださるとは…… こんなものでも参考になれば幸いです。 (2016年9月13日 20時) (レス) id: 20543c3c9e (このIDを非表示/違反報告)
誠(プロフ) - いんくさん» コメントとアドバイスありがとうございます！参考になりました！ (2016年9月13日 19時) (レス) id: bce8544829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誠 | 作成日時：2016年8月1日 16時
