03. ページ3
.
「あの…… ちょっとだけ歩けますか？すぐそこ、僕の家なんですけど……」
外におっても寒いから、とりあえず家ん中上がらせるしかないと思って、
耳元でそう聞いてみたけど、力なく首を振るだけ。
しゃーないからもたれかかってるボストンバッグをそっと抜いてみたら、
そのまま身体がだらんと俺の方に倒れてくる。
まじで全然力入ってへんやん。大丈夫かよ……
「おぶってくんで、背中…… 乗れますか？」
そしたらゆっくり頷いてくれたから、細い腕を肩にかけてそっと下から持ち上げる。
よたつかんようにちょっと踏ん張って立ち上がったけど、そんなん必要ないぐらい軽くてびびった。
「……よっこいせ、」
そのまま2人分の荷物を持って、自分の部屋に向かう。
その間も女性は全く話さへんし、耳元で荒い呼吸が聞こえるだけやった。
.
部屋の前に着いて、女性を落とさんように片手で静かに鍵を開ける。
けど、その時ふと思った。
……このまま連れて入って大丈夫やろか。
一応俺もジャニーズやし、仮にファンの悪戯…… なんてことを考えたら正直怖い。
けど誰がどう見てもしんどそうな姿見たら嘘じゃないんやろうなって、
その時は、それ以上疑うこともなく家に上げてしまった。
.
「ちょっと待っててください、」
とりあえず女性をソファに寝かせて、寝室から友達が泊まりに来た時用の布団を引っ張り出した。
誰も泊まりに来てへんからまだ使ったことないけど。
それをリビングに敷いて女性を寝かせようと思ったら、すでに寝てしもてた。
「……まぁ、起きてからでええか」
そのまま持ってきた布団をかけて、顔にかかってる長い髪をそっとどける。
その時初めてちゃんと見た顔は、正直めちゃくちゃ可愛かった。
白雪姫かよって思うぐらい白い顔に、ほんのり赤みがかったほっぺ。
自分でもびっくりするぐらい、見惚れてしまった。
「あかんあかん、知らん人やねんから……」
そう自分に言い聞かせて、とりあえず女性が寝てる間に急いでシャワーを済ませた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 915人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みーぽん(プロフ) - News9864915さん» ありがとうございます！(＞＜) (2020年3月8日 16時) (
レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
News9864915(プロフ) - 最後泣いちゃいました泣 (2020年3月8日 16時) (レス) id: 7b9d7e55b8 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 舞さん» はじめまして。コメントありがとうございます！発想を褒めてくださってすごく嬉しいです！最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。 (2020年2月1日 11時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - なつみさん» なつみさん！泣いてくださってありがとうございます… 次回作も頑張りますので、またよろしくお願いします！ (2020年2月1日 11時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - 雛里さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます……！感動していただけて安心(?)しました。最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。 (2020年2月1日 11時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：望穂
| 作成日時：2020年1月24日 20時
