＊告白予行練習＊貴「ずっと前から好きでした！」キ「え、マジ！？///」 (ページ5)

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＊page2＊貴方side ページ5

貴「ずっと前から好きでした！」

言った。ついに言ってしまった。

自分の顔に熱が集まっているのが分かる
心臓の音もうるさく、キルアに聞こえてしまうのではないかと思うほどだ

恐る恐る顔をあげると....

キルアはあっけにとられたように立ち尽くしていた

パチリ、と視線があう

キルアはまだ現実味がわからないのか、吐息まじりに呟く

キ「......え？」

たった一言、それも疑問形だったけど、充分だった

貴「(キ、キルアが......照れてる........！？)」

あの後輩に告白されたときより顔が赤く見えるのは、考えすぎだろうか

貴「(な、何か......何か言わないと......)」

視線を泳がせ、言葉を探すが、こぼれ落ちたのは意味をなさない音だった

貴「な......な......」

キ「な？」

まだ顔を赤くしたままのキルアが、不思議そうに首を傾げる

160㎝近いのに、かわいらしい仕草がやけに似合っていた

貴「(頭撫でたいな～♪)」←

えっ！？私今、キルアの頭撫でたいって....

何？チキンが終わったら次は変態！？ヤバイよ私！←

それよりも、ボロが出る前に何か話さないと

貴「なーんちゃって！そんなわけなーいじゃーん、ビックリした？(汗」

やらかした。

瞬間的にそう思った

貴「(いや、でも、今のは戦略のひとつっていうか...)」

脳裏にひらめいた言葉に、ハッとする

そう、恋愛も戦いだ

だから、敵前逃亡したわけではなく、次の作戦のための一時避難

もっと言えば、今回の告白予行練習は奇襲なのだ

キルアは目を開き、Aの発言を噛み砕くように、まばたきを繰り返している

ややあって、やわらかな髪をｶﾞｼｶﾞｼとかきながら、じろりとこちらに視線を送ってきた

キ「A......。おまえなぁ」

あきれ半分、照れ半分といった声色に、Aは小さく息をつく

貴「(よかった、冗談だって信じてもらえた.....よね？)」

心臓が切なげな音を奏でたのは聞こえなかったふりをして、ﾆｯっと口角をあげる

貴「今のはね、告白予行練習だよ」

キ「はぁ？練習？」

貴「ねー！かわいい？どきっとした？」

キルアの顔をのぞきこむと、じとーっという視線が返ってくる

こういうとき、何も言われないのはかえってつらい。Aは慌てて笑顔をひっこめた

貴「そんな顔で見ないでよ。ゴメンってば」

キ「本気になるぜ？」

貴「......え？」

キルアの一言に、今度はAが言葉を失う番になってしまった

続く