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龍樹の家を出て、俺は舗装されていない砂利道を歩く。いつもの遊び場である無人の神社に向かうためだった。
俺の家は神社の斜向かいにあって、龍樹の家に向かう道中に建てられている。
今帰ったところで両親はいないし、口では「鬼が出る」だのなんだのと言いはしたものの、この村で鬼の存在を教えられてきた俺がその存在を全く信じていなかった。
大人たちが恐れるくらいなのだから、いるのだろうと思い、恐れた純粋な時期はとうに過ぎている。今は多少の反抗心なのか、いるならこの目で見てやろうと言う気持ちの方が大きかった。
「……馬鹿だよなぁ」
道に転がる砂利の中で、一番大きな石を蹴りあげる。
こっ、と靴先に当たって大きな弧を描いて飛んでいった石は、どこからか飛び出してきた野良猫の近くに落ちた。
ぶつかった訳でもないのに、野良猫は大げさに「ギャッ！」と悲鳴をあげて逃げていく。それを見下ろしながら俺はつまんねぇの、とため息を吐いてまた歩く。
砂利を踏む音、淡々と繰り返される放送に風の音。その中に一つ、明らかに俺のものとは違う足音が混じっていることに気が付いた。
ふぅっと冷たい風にのって異臭が運ばれ、鼻をつく。
──きっと、振り向いたらダメなやつだ。
そう思った瞬間、俺は走り出していた。
追いつかれてはいけない、逃げなければいけない。けれど……足が思うように動かない。
──……して。…………して。
その弱々しい……今にも泣き出しそうな声に、聞き覚えがあった。
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さっくさく。(プロフ) - るーりさん» コメントありがとうございます。自分の脳でキャラが動くままに書いているので、面白いと言っていただけて嬉しいです。拙作を閲覧していただいてありがとうございます。 (2020年8月18日 20時) (
レス) id: 268527d70a (このIDを非表示/違反報告)
るーり - 小説のオリジナル作品見たことがなかったんです！でも、すごく面白いなと思いました！私、想像するのが苦手で作れないんですけれど、色んなのがあるんだなと改めて思いました！面白かったです！ (2020年8月18日 20時) (レス) id: 7ac2a7ec47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さっくさく。 | 作成日時：2020年2月26日 12時
