何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ45)

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109話ページ45

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『ヒソカ！！！』

ヒソカの避けた先には外野の念獣

念獣が球を捕球し、体勢を崩しているヒソカへすぐさまボールを放った

ﾋｿｶ「(バンジーガム...♣)」

放たれたボールを右手で捕球しその勢いのまま数メートル後退した

貴『ヒソ...カ...？』

左のおでこと、口から流血している彼がそこにいた

貴『平気？』

ﾋｿｶ「モチロン♦」

０「ビスケ選手、アウト！外野へ移動です」

貴『！？』

思ってもいなかったアナウンスに軽く驚く

ﾋﾞｽｹ「衣服も体の一部って、ことだわね？」

０「その通りです。」

スカートの一部が球に当たり焦げてしまっていた

貴『(これで３対３...)』

ｷﾙｱ「......」

貴『？』

ゲームが再開してもなお考え込んでいるようすの彼に違和感を覚えた

貴『(キルア...？)』

先程、念獣のボールをまともに捕球したヒソカの右手は既に投げることすらままならない

ﾋﾞｽｹ「ヒソカ！ボールちょうだい！」

ヒソカからボールを受け、ビスケが念獣を１体仕留めた

「よっしゃ。これで２対４！」

貴『...』

依然として心ここにあらず、そんなキルアをレイザーが見逃すはずなどなかった

先程念獣を捉えた球を、レイザーが拾い上げる

貴『(また、レイザーから...)』

ヒソカの手すら治癒する時間を与えてはくれなかった

貴『(くる...！！)』

レイザーが放った球はキルアに向かって直進した

が、ここ数回とほとんど速さは変わりなく、キルアなら間違いなく避けられる、そう確信した

が、

なかなか球に反応しない彼に叫んだ

貴『キルア！！』

ｷﾙｱ「っ！！！」

ようやく球に反応した彼だったが、あまりにも遅すぎた

彼の実力ではオーラの移動も間に合わない、そう直感する

貴『(念弾も、間に合わない...)』

体が咄嗟に反応していた

━━━━━━━━━━━━キルアside

『右に避けて！キルア！！』

頭のなかで何度も繰り返される先程の映像に顔をしかめる

「(クソッ...

オレの実力じゃ...)」

脳内に声が響く

「「勝ち目の無い敵とは、戦うな」」

「(うるせぇ...)」

刹那、叫び声が彼を現実へと呼び戻した

『キルア！！』

「！！！」

「(ボールが...)」

間に合わない...

そう直感する

次の瞬間、彼の目の前はAがいた...