何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ35)

今日:4 hit、昨日:12 hit、合計:127,634 hit

99話ページ35

･

･

･

顔に射す朝陽で目覚めた

貴『ん。』

ﾋｿｶ「起きたのかい？♦」

貴『うん...

おはよ...』

まだ少し眠いのかヒソカに体を預けたままボーッとしているAを優しく見つめながらヒソカが口を開いた

ﾋｿｶ「もうちょっと寝るかい？♦」

貴『...ううん、起きる。』

預けていた身を離し、立って伸びをする

うーーん、そう唸ってヒソカに向き直った

貴『よく寝れたかも、ありがと。』

ﾋｿｶ「どういたしまして♦」

Aに続くようにヒソカも立ちあがり、湖を見てふとひらめいたように口を開いた

ﾋｿｶ「水浴び、するかい？♠」

貴『え？一緒に？』

ﾋｿｶ「もちろん♥」

貴『いや、しないよ？』

ﾋｿｶ「？♦」

貴『ん？しないよ？』

ﾋｿｶ「？♠」

貴『しないからね。』

ﾋｿｶ「ちぇっ♣

じゃあ、ボク一人でしようかな？♦」

貴『わかった。じゃあ...

そこら辺の木陰にいるから』

ﾋｿｶ「ほんとにいいのかい？♦」

貴『ふふ。しないってば。』

よほど一緒に水浴びをしたいのか勧めてくるヒソカに笑いが込み上げてくる

貴『(なんか、可愛いとこあるなぁ。)』

貴『ごゆっくり。』

ヒソカに声をかけ自身は少し離れた樹の影に腰を下ろした

木が邪魔をしてお互いの姿が見えない位置で考えることはやはり、除念師のことだった

貴『(結構経つけど、やっぱり見つからない、か。

やっぱり頼みはイルミの兄弟のあの子、か。

今まで生きてきて、あ！除念してる！、なんて思ったことないからなぁ...)』

･

･

･

･

･

ヒソカが水浴びを初めて少したった頃だった

光りと共に複数の気配が凄まじいスピードで此方へ向かってきていた

貴『！！

(1、2、3...4人？

･

･

･

この気配は、ゴンとキルア？

あと二人は知らない人...)』

おそらく湖にいるヒソカのもとに着地した四人の気配を探る

貴『(アカンパニー、かな？)』

木が邪魔をして姿を見られることはなかったがこちらからも姿は確認できなかった

貴『(出てったらややこしいことになるかな？

なんかタイミング逃しちゃったかも...)』

出るに出れず、どうしようか悩んでいるときだった

「A、そこにいるんだろう？♦

出ておいでよ♥」