何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ30)

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94話ページ30

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貴『シャル？』

やあ、といつも通りの笑顔を見せつつ手をあげ挨拶をする彼に同じように笑いかける

貴『どうしたの？』

ｼｬﾙ「ヒソカ、ちょっとA借りていい？」

ﾋｿｶ「どうしてだい？♦」

ｼｬﾙ「Aの能力を借りたいんだ。」

ﾋｿｶ「ボクも行くよ♣」

ｼｬﾙ「二人来て団長の命にもしも、があったら怖いだろ？

それにヒソカが提案したじゃないか、俺達のアジトで。

俺達と行動するのは止めようって。」

シャルナークの言い分も最もだった

貴『何するの？』

ｼｬﾙ「それはまだ内緒。」

貴『え？なんで？』

ｼｬﾙ「いいから。

とりあえずヒソカ、借りてくよ。」

それだけ言い残しシャルナークはスペルカードを取り出し呪文を唱えた

ｼｬﾙ「同行(アカンパニー)オン！

リーメイロへ！」

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瞳を開けるとそこには旅団が勢揃いしていた

ﾌｨﾝ「よぉ。」

貴『久しぶり』

会っていなかった期間はそう長くないのに久しく会えていなかったように感じた

貴『？』

旅団の中に１人、見慣れない姿があった

貴『(着物...？珍しい...)』

Aの視線に気づいたのかシャルナークが口を開く

ｼｬﾙ「あ、除念師探し手伝ってもらってるんだ。イルミの紹介でね。」

貴『イルミの...？』

少女、らしき人物は自ら名乗った

「僕の名はカルト。」

そう短く告げた彼女に、今度はAが名乗る番だった

貴『私はA。よろしくね。』

そう言い微笑んだAにカルトは続ける

ｶﾙﾄ「兄さんと...」

貴『(兄さん...？)

あ、イルミの事？』

頷くカルトに合点がいった

貴『そっか、イルミの兄妹だからイルミが紹介...なるほどね。』

すっきりしたところでシャルナークに目をやる

ｼｬﾙ「ん？」

笑いながら、首をかしげる彼に言う

貴『"ん？"じゃなくて！

なんで私呼んだの？』

ｼｬﾙ「まだ秘密。」

未だに明かそうとしない彼に思わず首をかしげてしまった

ｼｬﾙ「A、こっち。」

手を引かれ旅団の皆から遠ざかるようにシャルに着いていく

シャルナークの個人的な依頼であることを察し、大人しく彼に従うことにした

貴『(シャルの依頼は旅団の皆と協力ってことじゃないみたい...

シャルの単独行動なんだ...

...？)』