何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ18)

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82話ページ18

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『じゃあ行ってくるね。』

そう告げゲーム機の上に手を広げ、"練"をする

次の瞬間、ゲーム機に体が吸い込まれた

貴『っ...！』

一瞬浮遊感に襲われる

貴『(なんか懐かしい、この感じ。)』

そんなことを思いながら目を開け、自身がすでにゲーム内に居ることを自覚する

「あら、久しぶりね。」

声の主と目があった

目の前には髪の毛を２つに結わえ、頭に特徴的な機械をつけている少女がいた

貴『久しぶり。エレナ』

エレナ「何年ぶり？

しかもプレイヤー側なんて！」

突然の来訪に少なからず驚いているようだった

貴『ちょっと、ね。人を探してるの。』

エレナ「？」

頭の上に"？"を浮かべるエレナに苦笑しながら続けた

貴『ただの仕事だから気にしないで』

エレナ「そう？データベースから割り出す？」

貴『いや...』

顔も名前もましてや性別も知り得ない相手を割り出してもらうことなど出来なかった

貴『大丈夫。ありがとう』

エレナ「そう。じゃあ早速？」

貴『うん！説明は無しで大丈夫！』

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エレナがパソコンを操作し足元に階段が現れた

エレナ「行ってらっしゃい」

貴『うん！』

ばいばい、と手を降り現れた階段を下った

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最後の一段を降り、芝生に足をつける

貴『(懐かしいな。何年ぶりだろう)』

風を浴び、肺一杯に空気を吸い込んだ

貴『(ん～！開放的！)』

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貴『(でもないか...)』

先程から四方八方からの視線を感じていた

どんなに目を凝らしても人物は見えなかった

貴『(スペルカードとか、今攻撃されたら防ぎようがないし...)』

次の瞬間後ろから体重がかかる

貴『ヒソカ？』

ヒソカ「ちゃんと待ってられたね♥偉い偉い♦」

貴『子供じゃないんだから...』

少しムスっとしつつヒソカを見上げる

ヒソカ「見られてるねぇ♦」

遠くを見ながら告げるヒソカ

貴『楽しそうだね。

戦うの？』

ヒソカ「いいや♣Aに任せるよ♦」

再び呼ばれるようになった自信の名前に少しこそばゆかった

「A♥」

耳元で囁かれる

貴『っ...』

くすぐったさと恥ずかしさで赤面する

ヒソカ「ｸｸｸ♦どうしたんだい？♠」

貴『～～！分かってるんでしょ？』

ヒソカ「ｸｸ♣

かわいいねぇ♥」