何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ17)

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81話ページ17

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貴『行くよ？』

彼女が最初に彼に告げてからかれこれ３０分以上が経過していた

支度を終え、ようやくゲームを始めようとしたときからずっと繋がれている手に視線を落とす

貴『ヒソカ、手。』

ゲームが始められないことを暗に示唆する視線と声色だったが、彼には効果がないようだった

ヒソカ「ん？♠」

貴『始められないよ、ゲーム。』

ヒソカ「そうだね♣」

貴『ヒソカ。』

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長い沈黙の末、ようやくヒソカが声を発した

ヒソカ「ちゃんとスタート地点で待っているんだよ？♦」

貴『(それ、何回目...？)

うん。分かってる。』

数十回目の確認に飽きもせず同じ返事を繰り返す

それはヒソカが渋っている理由を理解していたからだった

貴『(私があのときみたいに居なくなるかもって、心配してるんだよね？)』

未だにヒソカの心に影を落としている過去に胸が痛む

貴『んー、そんなに心配ならヒソカが先行く？』

彼の不安を少しでも取り除きたくて新しい提案を持ちかけた

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ヒソカ「いや、いいよ♦

ボク、Aのこと信じてるから♥」

ヒソカの告白に思わずヒソカを抱きしめた

貴『...』

抱き締め返しつつヒソカが口を開く

ヒソカ「大胆だねぇ♦」

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貴『ヒソカ、

ちゃんと待ってるから早く来てね。』

ヒソカ「わかってるよ♦」

ヒソカの胸から顔をあげ、互いに笑いあった