何でも屋と奇術師Ⅲ (ページ33)

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97話ページ33

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「トクベツなんだよ♥」

嘘か本当か真意の読み取りづらい彼独特の口調だったが

体を抱き締めている彼の腕の力が強くなったことは、彼にしては真面目な告白であることを暗示していた

だからこそ嬉しさから彼に伝えるべき言葉が見つからなかった

貴『......』

ﾋｿｶ「A？♣」

返事がないことを少し心配したのか、優しく名前を呼ばれる

貴『ごめん。嬉しくて...』

ﾋｿｶ「そうかい？♦

ボクはそんなに信用されてないんだねぇ♣」

貴『ふふ。信用してると思ってた？』

ﾋｿｶ「多少はねぇ♦

そんなに浅い仲じゃないだろう？♠」

貴『うーん、じゃあこれからはもっと信頼しようかな。』

ﾋｿｶ「そう...♣」

信用されていなかったことに肩を落とすヒソカの気配を感じ、背後から自身を抱き締めているヒソカの首もとに顔を埋めながら続けた

貴『あのね、

私は、"私を好いてくれるヒソカ"が好きなんじゃなくて、"ヒソカ"が好きなの。

だからヒソカが私を好いてくれることは二の次なの。

だから、なんて言うんだろ。

うーんとね......』

次に何を伝えるべきか迷ってるところで彼の首が細かく振動した

ﾋｿｶ「A♥」

声を肌で知覚しつつ、彼の顔を見上げた瞬間

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彼の唇とAの唇が重なった━━━━