何でも屋と奇術師 Ⅱ (ページ19)

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39話ページ19

貴『...クロロ...？』

マチ「A！！

あんた、どうして..？」

予期せぬ来客に喜びと驚きが入り交じった表情で問う

貴『マチ、久しぶり

お仕事、クロロに呼ばれてね』

再開できた喜びを噛み締めつつ、アジト内の重い空気に違和感を覚える

クロロ「A、遅かったな」

貴『ん？時間通りじゃない？』

あと、４時間で日付が変わることをさす携帯の時計を確認して言う

･

クロロ「聞きたいことがある。」

貴『ん？』

クロロ「まず、鎖を使う念能力者を知っているか？」

貴『いや、知らないよ。』

クロロ「予言の類いを得意とする能力者は？」

貴『世界には数人いるけど...

ちょっと話が見えないよ。順を追って説明してくれない？シャル。』

シャル「うん。

俺たちは８月３０日に団長に集められたんだ。

そこで、命じられたんだ。

オークションのお宝を全部盗めってね。」

貴『(全部って、また大胆な...)』

シャル「９月１日、まず手始めに地下競売の競売品を盗み出すため行動した、が...

競売品は俺たちがついた頃には全て持ち出された後だったんだ。」

貴『(なるほどね...)』

シャル「その後、アジトへ戻るときに陰獣と戦ったんだけど、

まあ、結果は圧勝だったよ

だけど、ウヴォーが鎖使いによってさらわれたんだ。」

貴『！！！ウヴォーが！！？

珍しいこともあるんだね』

それほど事態を重くとらえず、率直な感想を述べる。

そこには彼の強さをよく知っていたからこその驕りがあったのかもしれない

シャル「っ...」

シャルナークの歪んだ表情から何か悪いことが起こっている、そう直感した

貴『で、ウヴォーは？』

シャル「ウヴォー連れ去られてから、助けるためにマフィアンコミュニティの人間を操作して連絡を待ったんだ。

旅団の１人を捕獲したっていうやつを。」

貴『来たの？』

シャル「うん。直ぐだったよ。

ノストラードファミリーっていう奴等からだったんだけど。」

貴『？？

なら、なんで...』

ウヴォーがいないの？

圧倒的存在感を放つ彼が居ないことはアジト内を見渡さなくても知覚できた

シャル「...

助け出したあと、鎖野郎とけりをつけにいったんだ

･

それから戻ってない。」

シャルナークの消え入りそうな呟きは不服にもアジトに響いた