あの私回復キャラじゃないんです【MHA】 (ページ10)

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混合キャラページ10

『───────────…合格』

その言葉にほっと息を漏らした。
もし落ちていたらどうなっただろう
知りたくもない。

「A、入るぞ」

『どうぞ』

行儀良く扉をノックし入って来た焦凍の顔は心做しか何処か明るかった

『如何したの？』

「受かったのか」

私がそう問えば焦凍は何時もよりワントーン高い声で私に聞いてきた。…正しく言えば確信を突いてきた。

『うん、無事受かりました！』

精一杯笑い焦凍の前にピースサインを掲げると一瞬驚いた様な顔をしたがすぐに何時もの顔に戻る。口の端は少し上がっていた。

「推薦はマラソンだった。一般はどんな試験だったんだ？」

興味深そうに近付いてきて試験内容を聞いてくる。そう言えば試験終わってからまだ１度も顔合わせてなかったな、なんて思う

『対ロボット戦だったよ
ポイント制のロボットを倒して合格点稼ぐの』

近くにあったノートに軽く絵を描いて説明すると「…俺もそっちがよかったな……」なんて言ってくる。推薦の方が良さそうだけどなぁ

『よし、新学期だし色々新しくしよー』

自分の椅子から立ち上る。ふと鏡に目が行った
鏡に映るのは何度見ても好きになれない黒色の髪と赤色のメッシュ。思わず自分の顔が歪んだ

「…Aの髪は綺麗だろ」

そんな私を見兼ねたのか焦凍が後ろから私の髪をいじる。鏡越しに優しげなオッドアイの瞳と目が合った。

『…そっ、か。ありがと』

醜い父親の真っ黒な髪に私を見捨てた母譲りの真っ赤なメッシュ。何度染めようと思った事か
その度に焦凍に止められたから断念したけど。

ずっと思う。何故私は父親と母親の混合なの？
個性だって髪色だって瞳色だって全て父と母の混合。

「…ん」

『…眠い？寝る？』

「…少しだけ」

『布団で寝てていいよ。夜ご飯までには起こすから』

焦凍を布団に運びその寝顔を眺める。
……いいなぁ、綺麗な髪と瞳
黒く染まった私とは違う儚い綺麗な髪色

さらりと焦凍の髪を撫でた。

………こんな事考えるなんて私もどうかしてる